「気になる10代名鑑」の848人目は、吉松明優奈さん(19)。『花を日常に溶けこませる』ことを目的に、ワークショップを開催したり、フェスティバルに出店したりしています。将来はシンガポールにあるような植物園を日本にも作りたいと語る吉松さんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
吉松明優奈を知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を入れている活動は?
「『花を日常に溶けこませる』ための活動をしています。特に、日常に少しだけしんどさや疲れを感じている人に花を届けられたら、と思っています。
その手段として、起業も考えています。花からのエネルギーだけじゃなくて、人からもらえるエネルギーも提供したくて。人と人とのつながりを大事にできるような形で、何か動けないかと試行錯誤中です。
最近は、横浜で開催された『YOXOフェスティバル』に出展。介護施設で、花を使ったガーランドカチューシャをつくるワークショップも開催しました」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「祖母がフラワーアレンジメントをやっていたので、幼少期から、花が当たり前のように身近にあって。家の庭でも、種から植えて育てて、という流れに、ずっと触れていました。
あとは、花に救われた経験も大きなきっかけのひとつです。高校時代、部活動の最後の大会を目前に怪我をしてしまって、万全の状態で出場することができなかったんです。落ち込んでしまって、3年間が無駄になってしまったと思いました。そんなときも、花と触れている間は、自然と心が落ち着いたんですよね。
食卓に花があるだけでも気分はあがると思うので、そんな場所が増えたらいいなと思って、活動を始めました」
Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?
「結婚式などの花を担当する企業『TAKE and GIVE NEEDS』の、金井友香里さんとの出会いです。
わたしは、生花は『命のつながり』『命のしるし』だと思っているんです。虫が寄ってくるなど、人によってはデメリットもあるかもしれないけれど、それは生きているからこそ。そのこだわりは捨てたくないと強く思っていたんですけど、生花にこだわることで、活動の幅が狭まってしまうこともあって。
金井さんも、入社当初は、生花にこだわりをもってお仕事をされていたそうなんですが、いまは生花ではない花の魅力にも気づいたというお話をされていました。それを聞いて、花に対する視野が広がって。生花に対する想いは大切にしながらも、場合によってはさまざまな選択肢があるんだと思えるようになって、少しハードルが下がったような気がしました」
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Q4. 影響を受けた人物は?
「わたしの生花へのこだわりは、命を大切にしたいと思う気持ちからきているんじゃないかなと考えています。命について、人一倍深く考えるようになったのは、父からの影響が大きいです。
わたしの出身が広島で、原爆や戦争に触れる機会が多かったことや、わたしの姉が、生まれてすぐに亡くなっていることもあって、人の死や命について、幼いころからよく考えていました。父からはずっと、大切な人の死という悲しい経験や、命の大切さ、わたしが生まれたときどんなに家族を幸せにしたか、よく聞かされてきたんです。
そうした経験から、命を大切にしたいと考えるようになって。それが、生花に対するこだわりにもつながっているんじゃないかなと思っています」
Q5. 将来の展望は?
「将来は、シンガポールにある『ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ』のような、大きな植物園を日本につくりたいです。
花屋は、もう切られている花が置かれているけれど、切られていない自然の状態で見ることができるのはやっぱり植物園だと思っていて。咲き始めから散るまでの循環を知ることで、花がより身近な存在になると考えています。
また、準備が整い次第、すぐにでも起業できたらと思っています。自分の思いやこだわりを大切にしながら、自分にできることを見つけて、どんどん挑戦していきたいです」
吉松明優奈のプロフィール
年齢:19歳
出身地:広島県広島市
所属:武蔵野大学アントレプレナーシップ学部
趣味:フラワーアレンジメント、ライブ、花屋を見る
特技:部屋の掃除
大切にしている言葉:雲の上はいつも晴れ
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Photo:Naoko Araie
Text:Chikiri Kudo