世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、和歌山県白浜町アドベンチャーワールドにリニューアルオープンした「ユニバーサルレストラン」についてご紹介します。
アドベンチャーワールド内のレストラン「Jambo」がユニバーサル仕様に!
株式会社アワーズが運営するアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)は、2024年11月7日、サファリをテーマにしたレストラン「Jambo」を、ユニバーサルレストランとしてリニューアルオープンしました。このリニューアル計画は、2023年11月に開催された障がいのある子どもとその家族をパークに無料でご招待する特別イベント「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」をきっかけに始まったものです。
訪れる人も、働く人も、関わるすべての人に、ダイバーシティの実現と最高の思い出を持ち帰る場所となることをめざしているJambo。リニューアルにおける、3つのポイントをご紹介します。
さまざまな工夫が施されたユニバーサルレストラン
ひとつめのポイントは、障がいのある方の常時雇用です。障がいのある社員や障がい者就労訓練者が活躍するユニバーサルレストランを運営する、株式会社クロフーディングと連携して、取り組みが進められています。まずはプレオープンなどのイベント時の勤務からスタートし、今後は常時雇用の実現をめざしているとのことです。
ふたつめは、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」の導入です。株式会社オリィ研究所が開発、提供する遠隔操作ロボットで、その場にいない人がまるで自分の「分身」のように、その場を見渡したり、会話をしたり、首や手を動かすこともできるのだそう。
OriHimeを使用することで、障がいや難病など、さまざまな理由で外出することが難しい「移動困難者」でも、遠隔でもレストランにいるような接客をすることができます。具体的には、店舗前でのメニュー説明や誘客に加えて、料理提供時のメニュー説明などをおこなうそうです。
従来、働く機会が限定された移動困難者の就労機会を広げる存在として注目されている、OriHime。2022年3月より1台のOriHimeをすでに導入していたところ、今回のリニューアルオープンに際して2台体制の運用に。さらなる雇用創出の拡大を見込んでいます。
そして3つ目のポイントは、障がいのある作家のアートを店内装飾に起用している点です。主に知的障がいのある作家とともに、新しい文化をつくり出している、株式会社ヘラルボニーがキュレーションに参画。障がいのある作家6名による7作品を展示しています。
起用作品には、岩瀬 俊一 (やまなみ工房・滋賀県)の「ゾウとゆかいな仲間たち」や、吉田 裕志(アトリエやっほぅ!! ・京都府)の「ワオキツネザル」など、子どもから大人まで、誰しもがきっと笑顔になる明るく力強い作品が並びます。
ダイバーシティの実現に向けて、私たちにできることを考えてみよう
「ユニバーサルレストラン」として、すべての人が自分らしく輝きながら食事を楽しむことができる場所をめざすJamboの取り組みは、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」の実現など、ダイバーシティが当たり前の世界を叶える上でとても大切なもの。ユニバーサルレストランの利用を通して、多様な人々が社会で幸せに暮らしていくためのヒントを得てみませんか。
Text:kagari