
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「最近、気になったニュース」について。グッドニュースからバッドニュースまで、国内外問わず幅広く情報をキャッチしている現代の若者たち。いまを生きる10代は、最近どんなニュースが気になったのでしょう。興味関心があったニュース、感じたことについて、4人のティーンに聞いてみました。
1. 榊原さん「闇バイトがどうして増えてきているのか、考えていく必要がありそうです」

医学部に通い、日々学業に励みながらも、中高生向けのヘルスケア課題解決プログラムに参加し、活動の運営に携わっている、19歳。
「SNSやネット掲示板で呼びかけて、詐欺や強盗に協力させられる『闇バイト』ニュースが気になりました。
若者をターゲットにした犯罪が増えてきていて、単なるアルバイトだと思って応募したら、違法行為に関係してしまう……おそろしいことだと思います。犯罪者との関係が密になることで、逃げ出すことが難しくなって、巻き込まれた場合には人生を棒に振るケースもあると聞きました。
なぜ若い人たちが『闇バイト』に手をだしてしまうのか、どうして増えてきているのか、考えていく必要があると感じています」
2. 舟橋遼亮さん「経済の話を『自分たちの問題』として考えていくことが大切だと思います」

長野県飯山市の古民家をリノベーションし、疲れた人が立ち止まることができるような宿泊施設をつくるための活動している、19歳。
「国民民主党が掲げている『103万の壁』と『手取り向上』についてのニュースです。大学生として、アルバイトで働く上でも、身近な話だなと感じました。これから先、社会に出たときのことや就職を考えたときにも、関わってくる話です。
『103万の壁』は、せっかく頑張って働こうとしている人たちの選択肢を狭めているように思います。『手取り向上』は、生活が少しでも楽になる気がしますが、どんな方法で実現するのか、長く続いていくのか気になりました。
学生だからこそ、経済の話を『自分たちの問題』として考えて、見つめていくことが大切だと思います」
3. 志賀遥香さん「経済格差にもつながる『103万円の壁』問題。今後どうなっていくのか、注目しています」

小学生のころから日本舞踊を始め、名取試験にも合格し本格的に活動している、17歳。
「最近気になったニュースは『103万円の壁』問題です。
収入が年間103万円を超えると、バイト代に所得税が課税されはじめてしまいます。両親からみたら、子どもがアルバイトで年間103万円を超えると両親の扶養控除を受けられなくなるため、扶養者の税負担が増えることになります。
生活に困っていて働きたい場合でも、こういった問題があると、経済格差につながると思いました。この問題が廃止されるかについて見直されている最中なので、とても気になっています」
4. 有楠さん「中国の深圳で起きた事件に衝撃を受け、すごく悲しい気持ちに」

サブカルチャーを通して、思春期の高校生たちが言葉にできない感情を言葉にするプロジェクトを立ち上げた17歳。
「中国の深圳で、日本人学校に通っていた10歳の男の子が刺されて亡くなってしまったニュースに衝撃を受けました。
10歳というまだ小学生の男の子が、知らない男に人に刺されるという恐怖と共に、すごく悲しい気持ちになりました」
若者が多く被害に遭っている「闇バイト」に関するニュースは、10代にとって、身近な話題なのかもしれません。「103万円の壁」についても、気になっている10代が多くいるようでした。若い世代は「働くこと」や「お金を稼ぐこと」に関心を持っており、働き方に影響を与えるテーマに注目が集まったと感じました。自分たちの生活や働き方を真剣に考えるのは、現代のティーンならではなのかもしれませんね。これからもティーンの生活や考えに注目しながら、働き方についても掘り下げていきたいと思います。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano