タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「推し活」について。ゲームやアニメ、アイドル、ほかにも鉄道やスポーツ界隈など、幅広いジャンルで盛り上がっている推し活。ティーンにとって、推しはどんな存在なのでしょうか。推しがいるのか、推すようになったきっかけや推し活の内容、かけているお金事情など、推し活の魅力を、4人のティーンに聞いてみました。
1. 有楠さん「悩んでいるときに背中を押してくれるのが、推しの存在です」
「ぼくにとっての推しは『Oasis』や『The Beatles』です。
中学校2年の時に思春期とコロナの期間が重なって、悩んでいました。その時に、たまたまOasisの『Whatever』という曲が耳に入り衝撃を受けて……。
リアムやノエルのかっこよさに、14歳のぼくの心がわしづかみにされました。それ以降、Oasisは僕のバイブルになってくれています。再結成してくれと願った結果、ついに今年、念願の再結成を果たしてくれました」
2. 榊原さん「女子バスケットボール選手のプレースタイルや人柄に心を奪われました」
「女子プロバスケットボール選手を推しています。試合観戦やグッズ購入が、わたしにとっての推し活の楽しみです。ホームゲームで応援すると、選手たちの活躍を間近で感じることができて大興奮します。
バスケットボールを始めてから技術の習得のためにプロの試合を見ていたら、彼女のプレースタイルや人柄に心を奪われて、いつのまにか彼女を推していました。苦境に立たされても笑顔を絶やさず、果敢に挑む姿勢に魅了されていて。彼女を応援することで、自分自身も前向きに頑張ろうという気持ちが芽生えてきます!
推し活代は、チケット代やグッズ代に1万円ほど使いましたが、推しを含めた多くの選手のプレーを見ることで喜びや感動を得られるので、お金以上の価値があると感じています」
3. 舟橋遼亮さん「金額以上に、心の支えやモチベーションとなるのが推し活です」
「アニメやゲーム、VTuberが趣味で、特に『ホロライブ』の湊あくあさんを推していました。残念ながら先日、卒業されてしまいましたが、今まではフィギュアやタペストリー、コラボ商品などで、年間10万円くらい費やしていました。
アニメに関しては、大学生になってからはあまりグッズを買わなくなったのですが、中学・高校のころは年に15万円ほど『一番くじ』やフィギュア、タペストリー、サブスクに使っていました。『Charlotte』の友利奈緒ちゃんと『ゆるキャン△』の主人公、りんちゃんが大好きです。
中学時代、不登校だったころから『ゆるキャン△』のりんちゃんに憧れていて。家に引きこもりながらも、頑張ってバイクの免許を取り、キャンプ道具を揃え、山梨のキャンプ場まで聖地巡礼を実現させました。家を出るきっかけになったし、本当に救われた作品で、勇気づけられました。
ゲームは主にPCで遊んでいて、合計するといままでに30万円ほど使っていると思います。推し活は金額だけじゃなくて、心の支えやモチベーションになる大切な存在です」
4. 笹岡岳史さん「推しがいる人にとっても、社会にとっても、Win-Winなのが推し活だと思います」
「推しはいませんが、推し活は、人のモチベーションや、心の支えになっているんだと思います。
推し活による経済効果も大きいと聞いています。推しがいる人にとっても、社会にとってもWin-Win。損する人や困る人がいないところは、推し活のいいところだと感じています」
推し活をしている10代にとって、推しはかけがえのない存在であることがわかりました。推しがいない、というティーンにも、推し活への理解は広まっていました。スポーツ選手やアニメ、ミュージシャンなど、推す対象は人それぞれですが、心の支えや勇気を与えてくれるのが推しであり、かけるお金以上に与えてくれるものがあるようです。グッズはもちろん、スポーツ観戦や音楽鑑賞も推し活のひとつ。かける金額は人によってさまざまですが、これからもティーンの推し活事情から目が離せません。
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano