「気になる10代名鑑」の841人目は、長岡心音さん(18)。発展途上国の、障がいのある人たちに車いすを寄付する活動をおこなっています。障がいによる格差をなくしたいと話す長岡さんに、活動についてあれこれ聞いてみました。
長岡心音を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「発展途上国の、障がいのある人たちに車いすを寄付する活動をしています。
いまはまだNGOを立ち上げたり、車いすを購入するための寄付を募ったりと、準備をしている段階です。来年の2月には実際にタンザニアに渡航して、車椅子の寄付をおこなうほか、障がい児施設に住み込みで働く予定です」
Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「母が障がい者施設の職員をしていたことがきっかけです。
それで、中学生くらいのころから、障がいとか、そういう分野に関心があったんです。特に車いすとか、義手や義足みたいな技術の部分への興味が強くて。なので、機械について専門的に学べる高校へ進学しました。
発展途上国については、セミナーに参加したことがきっかけで、興味をもって。自分が関心のある、ふたつの領域を掛け合わせて何かできないかなと思って、この活動を始めました」
Q3.活動をする中でつらかったことは?
「活動方針の決定から、NGOの立ち上げ、クラウドファンディングの準備まで、すべて自分ひとりでおこなったことです。
『トビタテ留学JAPAN』の制度を利用して留学するので、そこでいろんな活動をしているトビタテ生に出会えたんですけど、自分のテーマが限定的なこともあって、一緒に活動してくれる人を探すのはなかなか難しくて。あとは、自分のやりたいことを大切にしたいっていうのもあったので、ひとりでやると決意しました。
でも、実際にやってみると、とにかく時間がなくて……。留学の時期が決まっていたので、先延ばしにもできないし、学校との両立も大変で。隙間時間をフル活用して、準備を進めていきましたね」
Q4.どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「日本でも、障がいのある人と、そうでない人とでは、どうしてもできることに差があると思うんですけど、発展途上国の現状はもっと悲惨で……。身体が不自由な人は、一生を家で過ごすことを強いられたり、障がいがあることが分かった時点で、捨てられてしまう子どもがいたりするみたいなんです。
発展途上国でも、車いすとか、そういう道具が普及することで、障がいのある人も外に出て、自分のやりたいことがやれるようになってほしいと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「将来は、国際協力機構(JICA)の職員になりたいです。もともと、発展途上国に興味をもったときから、青年海外協力隊に参加したいと考えていたんですけど、それだと2年という期限付きになってしまうので、より長期的に働けたらいいなと思って。
そして、いまの活動を続けて、障がいのある人と、そうでない人の格差をなくしていきたいと考えています。いつか、ハンディキャップという言葉がなくなればいいなって思っていて。すべての人が、自由に夢を描けるような社会にしていきたいです」
長岡心音のプロフィール
年齢:18歳
出身地:山形県山形市
所属:moyo wheelchair
趣味:語学学習
特技:新しいことにチャレンジすること!
大切にしている言葉:If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
Photo:Nanako Araie
Text:Fuka Hagai