世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、日本科学未来館で開催中の「パリ・ノートルダム大聖堂展」と、展示で取り入れられている、タブレットを使った鑑賞体験についてご紹介します。
火災から復活した軌跡を体験できる「パリ・ノートルダム大聖堂展」
2019年4月に火災が発生し、大きな被害を受けたフランス・パリのノートルダム大聖堂。修復が終わり、2024年12月に一般公開されることになっています。そんなノートルダム大聖堂の歴史的な経緯や価値と、修復の様子をデジタル技術により体感できるのが、2024年11月6日(水)から2025年2月24日(月・休)の期間に日本科学未来館でおこなわれている特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展」です。
日本科学未来館といえば、最先端の科学技術の展示を通して、未来に思いを巡らすことができるサイエンスミュージアム。そこでおこなわれる世界遺産の展示とは、どのような内容なのでしょうか。ライターが内覧会に参加した様子を交えながら、展示内容をご紹介します。
ノートルダム大聖堂ってどんな場所?
1160年から建造が始まったノートルダム大聖堂。ゴシック建築の代表作とも言われる歴史的な建築物です。当時の最先端だったステンドグラスを取り入れ、トップ技術を持つ石工により、今までにない規模のカトリック教会の大聖堂として建てられました。以降、いくつもの歴史的な事柄がここで発生しましたが、パリにおいてカトリック礼拝が禁止されたために、一度は廃墟となった歴史も持ちます。その後、ヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』が広く読まれたことにより、補修され、フランスの人々の心のよりどころになっていったのです。
しかしながら、2019年4月15日に発生した火災により、象徴であった尖塔が焼け落ちてしまいました。
「パリ・ノートルダム大聖堂展」は何が見れるの?
\開幕しました🎉/
特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」
📅 11月6日(水)〜2月24日(月)タブレットを使って、
世界遺産・ノートルダム大聖堂の
創建時から現代までをタイムトラベルする
体験型の展覧会🖼皆様のお越しをお待ちしています。https://t.co/4NzvoSB98g pic.twitter.com/lPefg07iW6
— 日本科学未来館 (@miraikan) November 6, 2024
今回の展示では、ノートルダム大聖堂がパリのシンボルとなっていく様子や、世界遺産としての価値、火災直後から始まった復興プロジェクトの様子を、貸し出されるタブレットを使って見ることができます。
展示されている高彩度のスクリーンの前には、「タイムポータル(時空の扉)」というコードが設置されています。
このコードをタブレットで読み取ると……。
ディスプレイに詳細な解説や動画が映し出されます。タップしていくと情報が変わり、より深く知っていくことができるのです。
「パリ・ノートルダム大聖堂展」は世界を巡回しており、日本科学未来館が16カ所目。しかし、修復が進んでいることから、今回、初めて「修復現場におけるイノベーション」が展示されることになりました。
先ほども触れましたが、ノートルダム大聖堂は世界遺産に登録されています。そのため、修復には厳しい規制が適用され、過去の状態を忠実に再現しなければならないのだそう。そこで活躍したのが、最先端のデジタル計測技術です。過去の建造方法について3Dスキャニングの技術を使って分析が行われました。ロボット工学も用い、現在の正確な位置を割り出し、その部材がどのように作られたのかも推定。中世の建造技術を深く理解することができたのだそうです。
もうひとつ、日本科学未来館オリジナルのコンテンツとして登場したのが「さわれる展示」。火災前後の大聖堂の模型や、聖母子像の彫刻レプリカを、実際に手で触れられる展示と共に紹介しています。
没入感ある展示で、パリへの旅行気分も!
展示期間中の2024年12月7日と8日、現地では再開式典が行われ、一般公開が再開される予定になっています。とはいえ、気軽にフランスに行けるわけでもありません。「パリ・ノートルダム大聖堂展」でパリに思いを馳せ、過去の技術と最先端の技術の融合、また、それを見せる技術を体感してみませんか。
特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展」概要
会場:日本科学未来館
料金:大人(19歳以上)1,800円、18歳以下(中学生以上)800円、小学生500円、60歳以上1,600円
会期:2024年11月6日(水)~2025年2月24日(月・休)
開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日(ただし、2/11は開館)、年末年始(12/28~1/1)
住所:東京都江東区青海2-3-6
HP:https://notredame-ar.jp/
Text:Itsuki Tanaka