「気になる10代名鑑」の834人目は、座間耀永さん(17)。自らが起業した会社で『添削をしない作文教室』を主催するほか、父親の闘病についてつづった作品が全国出版されるなど、文筆活動を中心に、さまざまな活動に力を入れています。「やりたいと思ったことを積極的に口に出すことで実現してきた」と話す座間さんに、活動のきっかけや大切にしていることについて聞いてみました。
座間耀永を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「文筆にまつわる活動を中心に、さまざまなアクションを起こしています。
昨年の6月に『AZ Bande』という会社を設立して、『添削をしない作文教室』を主催しているほか、趣味の映画鑑賞から派生して、現在は、映画のバーティカルサイト『ひとシネマ』で映画評の執筆や、『朝日中高生新聞』のリポーターもやっています。今年の3月には、父の闘病生活についてつづった作品『父の航海』が『Reライフ文学賞』を受賞して、11月に全国出版される予定です。
その他の活動としては、8歳のころからヨットを習っていて、いまは『ISPA Japan』というセーリングの団体のユースチームに参加して、ヨットの普及活動にも携わっています」
Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「『添削をしない作文教室』に関しては、小学生のとき、作文の課題の添削に対して、疑問を抱いたことがきっかけです。
その課題は、自分が考えて書いた文章を先生が添削して、返却されたものをそのまま清書する、というものだったんですけど、わたしはもともと文章を書くことが好きだったので、自己表現の喪失みたいな感覚を味わって。だから、『添削をしない作文教室』では、添削をするのではなくて、文章の中で良かったポイントをフィードバックすることを大切にしています。
そのほかにも、先生と生徒ではなく、ヨットになぞらえて、キャプテンとクルーという関係性を採用したり、原稿用紙や書き方を工夫したりと、高校生なりの視点で、プロの作文教室とは違った内容にしていくことを意識していて。作文に苦手意識がある子たちにも、楽しんでもらえるような授業にしたいと思っています」
Q3.活動するうえで、大切にしていることは?
「やりたいと思ったことは、積極的に口に出していくことです。
わたしはもともと、すごく人見知りな性格なんですけど、ここぞという時の行動力があるというか、やると決めたらやるタイプで。起業する前に、会社を設立したいと思っているっていうことをいろんな人に話していたんです。それがきっかけで、実際に起業したときには、税理士さんを紹介してもらうことができました。
あとは、新聞のリポーターを始めたころからずっと、著名人にインタビューをしたいって言い続けていたら、昨年、音楽アーティストのSKY-HIさんにインタビューする機会に恵まれたんです!
そうやって、やりたいと思ったことに向けて自分から行動して、達成していくことがやりがいになっているなって思います」
Q4.活動の中で大変だったことを教えてください。
「やっぱり『父の航海』の執筆に当たっては、しんどい部分もありました。
書くことがずっと好きだったので、記録の意味もあって自主的に書き続けていたんですけど、父が完全に危篤状態になってしまったときには、さすがにわたしも筆が止まってしまって。書こうとする自分と、それに追いつかない気持ちとの間で葛藤がありました。
あとから思い出すこともしんどくて、泣きながら書くときもあったんですけど、でも、書くことで自分の感情とか気持ちを整理できた部分もあって。それが、いまも文章を書き続けている理由なのかなと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「まだ明確に定まってはいないんですけど、何らかの形で、書くことは続けていきたいです。特に、いまやっている映画の評論が本当に楽しくて。これからも、音楽とか映画とか、好きなことに関して書いていけたらいいなって思っています。あとは、フィクションを書くことにも興味があります。
これまでの活動を通じて『言葉の力』を実感してきたからこそ、今後もいろんな活動を通して、それを追求していきたいです」
座間耀永のプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都
所属:非営利型一般社団法人AZ Bande代表理事、朝日中高生新聞特派員、ひとシネマコラムニスト(映画評論)、青山学院高等部
趣味:国内外のラップを聴くこと、ボクシング観戦、多種ジャンルのライブ参戦
特技:耳コピ、どこでも寝ることができる
大切にしている言葉:大志を持つ、進みながら強くなる
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Photo:Nanako Araie
Text:Fuka Hagai