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アフリカの大富豪の実態って?アフリカ大陸一のビリオネアを大紹介!【Steenz Breaking News】

アフリカの大富豪の実態って?アフリカ大陸一のビリオネアを大紹介!【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカで純資産額が10億米ドルを超える「ビリオネア」と呼ばれる大富豪について、お伝えします。

アフリカ一の大富豪は誰?

世界的経済誌である『Forbes』によると、2024年の世界の富豪1位は、ルイ・ヴィトンなどの高級ファッションブランド「LVMHグループ」を率いるベルナール・アルノー、2位は「テスラ」や「スペースX」のCEOであるイーロン・マスク、3位は「アマゾン」の創業者、ジェフ・ベゾスとなっています。日本からは、29位に「ユニクロ」の会長である柳井正がランクインしました。

そんな中、144位にラインクインしたのが、ナイジェリア出身のアリコ・ダンゴート。ダンゴートは、アフリカ大陸一のビリオネアだと言われています。

もともと実業家の裕福な家庭で生まれたダンゴートは、エジプトの大学を卒業し、1977年に米や砂糖、セメントの事業を行う「ダンゴート・グループ」を創業。47年が経った現在「ダンゴート・グループ」はアフリカ10カ国に展開し、いまや2万4000人を雇用する大企業に成長しました。

1994年には、「アリコ・ダンゴート財団」を設立し、ナイジェリアでビジネススクールの設立や、女性の自立支援にも取り組んでいます。マイクロソフト元会長のビル・ゲイツらによって設立された大規模慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」とも協力して、ナイジェリアの栄養失調を解決するための活動もおこなっているそうです。

ビジネススクールでの講演によると、ダンゴートは、仕事のほか、結婚式やイベントなどの参加で大忙し。早朝に起床し、12時間近く働いているのだとか。

アフリカ諸国は現在に至るまで、かつて植民地の宗主国であった欧州や中国などの企業から、いまだに資産や富を搾取されている現実があります。そうした現状を踏まえて、ダンゴートは”The number one thing that kills businesses in Africa is power – or the lack of power.”(アフリカのビジネス発展を妨げる一番の要因は、権力と、権力の欠如だ)という発言を残しているそうです。

アパルトヘイト時代を生きた成功者

続いて紹介するのが、南アフリカ出身のパトリス・モツェペです。モツェペは、鉱山ビジネスで巨額の富を築き、2008年に、南アフリカの黒人としては初めて『Forbes』の億万長者リストにランクイン。現在はいくつかの企業で代表をつとめるほか、アフリカサッカー連盟の会長にも就任し、「マメロディ・サンダウンズFC」を所有しています。

1948年から1990年代初めのころ、南アフリカで人種差別・人種隔離が法制度として実施されていた「アパルトヘイト」の時代。モツェペは、そんな時代に、黒人居住区であるソウェトで生まれました。白人居住区が都市の中心地に位置しているのに対し、黒人居住区は鉱山などの地域に限定されていたそう。彼の父親は、鉱山労働者向けの日用品を販売する小さな店を経営していました。モツェペは幼いころより父親からビジネスを学び、大学では芸術と鉱業、ビジネス法を専門とする法学を学びました。

1994年にネルソン・マンデラが大統領になると、南アフリカにおいて、黒人の経済的機会を向上させるための「黒人経済力強化政策法(BEE法)」が施行されました。モツェペは、こうした政治や経済の流れに乗って鉱業ビジネスをはじめ、大成功を収めたのだそうです。

1999年には「モツェペ財団」を設立。1万人以上の若者の教育支援や起業家支援、さらには黒人への土地再分配のプログラムに多額の寄付をおこなうなど、多岐に渡り社会的なインパクトを残しています。また、彼は、生前か死後に、自らの財産の半分を寄付するとも発表しています。

富を分け与えるのが当たり前なアフリカだからこそ

筆者の住むウガンダでは「裕福な人はその富を分け与える」という考えが浸透しているように感じます。例えば、複数人でご飯に行く際は、年齢などではなく、経済的に余裕のある人が喜んでお会計する姿を当たり前のように目にします。こういった文化も、アフリカの大富豪のほとんどが大規模な慈善活動をしている理由に影響しているのではないでしょうか。

現在、南アフリカ、エジプト、ナイジェリア、ケニア、モロッコの5カ国は、アフリカ大陸の中でも特に裕福な国であり、アフリカ大陸のビリオネアの、およそ90%を占めているのだそう。さらに、今後10年間で、アフリカの富裕層は42%も増加すると予想されています。

一方で、経済格差や、貧困による課題も多く抱えているアフリカ。ビリオネアたちの活躍が、一部の限られた人々だけでなく、アフリカ全体の経済を押し上げ、経済格差などの課題の解決につながってくれるのかどうか。そうした視点からも、彼らの動向をチェックしていきたいですね。

References:
Forbes「Bilionares 2024」
Worldometer「Population of Africa」
Dangote「Cement manufacturing」
Motsepe Foundation「The Motsepe Foundation」
Henley Global「The Africa Wealth Report 2024」

TextHao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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