世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、防災に関する意識調査と、やっておきたい取り組みをご紹介します。
防災の日に考えたい毎日の防災のこと
9月1日は防災の日。今年は1月1日に発生した能登半島地震に続き、8月8日、日向灘を震源とする地震が発生したことを受けて南海トラフ地震臨時情報が発表されるなど、例年よりも防災関連のニュースを目にする機会が増えているのではないでしょうか。
しかし、ニュースを目にすることと、備えを用意することは別のこと。ついつい「面倒だから……」と備えていない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、みんながどんなふうに準備しているか、ふたつの意識調査から見てみましょう。
お金も無いし、危機感もそこまでない?
まずは、QO株式会社が運営する『Social Issue Lab』が実施した「防災格差」をテーマとした調査レポートを見ていきましょう。
こちらの調査では、11項目の防災チェックリストへの取り組み度合いを得点化し、防災への取り組み度合いが高い層を「FLOWER(花)層」、中間層を「SPROUT(芽)層」、これから取り組む層を「SEED(種)層」にわけて分析しています。
防災の重要度については、全体の8割以上が「重要だと思う」と回答。そして「行動する/行動したいと思う時にハードルになっていること」という設問では、どの層でも「金銭的に余裕がない」がトップにつけています。
特にSPROUT(芽)層やSEED(種)層では、「防災への知識はあるが、対策をするのが面倒くさい」「震災への危機感をそこまで強く感じていないので、対応が後回しになる」が2位、3位という結果に。
やはり、いつ起こるかわからない災害に対して「面倒だ」「本当に必要だろうか」と思ってしまうのも事実なのでしょう。
どんなことを備えている?
次の調査は、株式会社クロス・マーケティングによる「防災に関する調査(2024年)備え・実践編」。実際に備えているもの・ことについて、3,000人に聞いています。
「自然災害に対する家庭内の備えをしていますか」という問いに対し、「しっかりできている」と「どちらかといえばできている」と答えた人は、全体のわずか17%。年代別に見ると20代~40代までが「どちらかといえばできていない」「まったくできていない」の合計が、50%を超えてしまっています。
「避難所・避難場所への経路と移動時間を確認しているか」という設問では、自宅近くの避難所・避難場所を確認している人が38%となりました。そのうち、「だいたいの移動時間を把握しており、実際に確かめたこともある」が16%、「大体の移動時間を把握しているが、実際に確かめたことはない」と答えた人が19%となっており、実際に歩いたことがない人が多いことがわかりました。
さらに仕事をしている人(有職者)と学生に対して、勤務先や通学先近くの避難所や避難場所を確認しているかと聞いたところ、確認している人は10%と、かなり少なめな結果になりました。
学校自体が避難所に指定されていることも多いので、学校にいる場合は、それほど心配する必要はないかもしれません。企業であれば、あらかじめ防災計画が決められている場合もあるので、その際もゼロから準備する必要はないかもしれません。
しかし、被災するのが自宅や学校にいるときばかりとは限りません。往復の公共交通機関に乗っている場合ではどうでしょうか。知らない街を通過しているだけの場合、何がどこにあるか把握できていないということも考えられます。
「まあ、疲れてるし」「時間ないし」と後回しにせず、中間や乗り換えの駅などで降りてみて、避難所を把握してもよさそう。多くの自治体では、防災マップを公式サイトで公開していますし、駅前に避難所を示す看板を立てている自治体も多くあります。これならば、大した資金を必要とせず、ショートトリップの気分で行うことができるのではないでしょうか。
経路や場所を把握しておけば、いざ、何かあったとき、スマホ画面を見ないと避難できないということがなくなります。スマホのバッテリーの節約になりますし、不安に思いながら歩くということもなくなります。
持ち物の見直しもしてみよう
また、災害は地震や津波だけではありません。例えば、雷や設備の故障によって停電が起きると、電車やエレベーターは止まります。電力の供給が再開され、安全が確認できるまで、車内やエレベーター内にとどまることになるのです。
自宅を離れるときには、水筒やペットボトル、飴などをもち歩くことを習慣にし、何かあっても最低限の水分と栄養の補給ができるようにしてあると理想的。もちろん、大きな地震や津波といった災害でも有効な持ち物です。
簡単なことから始めていこう
国の機関や自治体、大企業などは、防災計画を策定し、何かあったときにも対応できるように考えてくれています。しかし、災害が起きたその瞬間、その場の状況に即した判断をして行動できるのは、自分だけなのです。ぜひ後回しにせず、小さなことから行動を変えてみてください。
References:
Text:Itsuki Tanaka