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一重のコンプレックスを乗り越えたメイクの力を信じて。メイクで人を笑顔にしていく女子高生【西澤美佑・17歳】

一重のコンプレックスを乗り越えたメイクの力を信じて。メイクで人を笑顔にしていく女子高生【西澤美佑・17歳】

「気になる10代名鑑」の772人目は、西澤美佑さん(17)。自分自身がメイクの力でコンプレックスを克服した経験から、メイクで人を笑顔にしたいという思いをもち、さまざまな活動をおこなっています。これまでにセブ島でストリートメイクに挑戦したり、被災地でのメイクセラピーなどにも挑戦してきたという西澤さんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について伺ってみました。

西澤美佑を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れていることは何ですか?

『メイクは人を笑顔にする魔法である』という言葉を掲げて、お祭りなどのイベントでメイクアップをしたり、児童館や学校の授業を通してメイクのあり方を考える授業をしたり、リップ制作のイベントを開催したりと、メイクを軸にいろんな活動をしています。

最近では、能登半島地震の発生を受けて、『自分も何かできないかな』と思って、二次避難をされている方たちに向けたメイクアップをしました。毎日が大変な中で、『一瞬だけでも笑顔になってくれたら』っていう想いだけで動き出して。現地で予定されていたリラクゼーションのイベントに参加させてほしいと連絡して、飛び入りで参加させてもらいました」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

韓国の“一重メイク”に出会ったことがきっかけです。小さいときからメイクが好きだったんですけど、大きくなるにつれて、一重はマイナスで、二重であることかかわいいとされている事実に気づかされて……。わたし自身が一重だったので、引け目を感じてしまって。

『二重にならないとかわいくなれないのかな』って思っていたんですけど、韓国に目を向けると、一重でもアイドルや女優はたくさんいるし、そんな一重を活かすための“一重メイク”があるのを知って、衝撃を受けたんです。それで、自分でも取り入れたら、一重を好きになれたんです。

コンプレックスを自分の個性として捉えられるようになって、いまではいちばん好きなチャームポイントになりました。この体験から、『メイクは人を笑顔にする魔法なんだ』と思うようになって、この喜びや幸せをもっと多くの人に届けたいと考えました」

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

放課後に教室で勉強しているときに、先輩が躊躇なく自分のやりたいことを担任の先生に話していて、先生も否定せずに聞いている姿を見て、衝撃を受けたんです。

本当にやりたいことって、なかなか言えないと思うんです。わたし自身、小さいときからスポーツをやっていたのもあって、言葉よりも結果を重視の考えが強かったり、達成できなかったときが怖いので、やりたいことをなかなか口に出せずにいたんです。でもその先輩を見ていて、『自分の夢って、話してもいいんだ』と思えました」

Q4. 活動をする中でつらかったことは?

いろんなことにチャレンジしたいという思いと、好きなことを貫くことのバランスをとるのが難しいです。団体やイベント活動に多く参加しているとすごく充実するのですが、同時に、自分の好きなメイクをする時間がなくなってしまうのも感じていて。

でも、活動する中で出会った大学生の方から『やりたいことをできずにいるなら、自分でその時間をつくるしかないよ』と、喝を入れてもらったんです。それを聞いて、忙しいことを言い訳に使っていることに気づいて……。

その先輩の言葉に触発されて、セブ島に留学することを決断したんです。現地の学校が終わった後に、街で声をかけてストリートメイクをするなど、貴重な体験をたくさんしました!」

Q5. 今後の展望は?

社会のいろいろな場所で、メイクで人々の幸せが創出される世の中になってほしいです。

活動していた中で出会った女の子が、わたしがメイクをしたことで、ずっとつけていたマスクを外して、『生まれて初めて自分の顔を鏡で見たいと思った』と伝えてくれたんです。その瞬間『こんな笑顔をもっと見たい!』と思ったし、いまでも活動のモチベーションになっています。

病院や学校、職場や地域コミュニティとしても、誰かにメイクされることが当たり前になったり、誰かのマイナスな心がメイクで前向きに変わることができる機会を提供するサービスをつくっていきたいです」

西澤美佑のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都
所属:小松大谷高等学校
趣味:コスメ収集、メイク動画をみること、人と話すこと、人の幸せな話を聞くこと
特技:人と話すこと、友達になること
大切にしている言葉:「1%の可能性を100%信じる」「目の前を塞いでいるものは壁ではなく扉である」

西澤美優のSNS

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Photo:Nanako Araie
Text:Honori Kukimoto

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Honori Kukimoto

ライター

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