「気になる10代名鑑」の768人目は、にこさん(19)。文化服装学院に通い、服づくりを学びながら、ハンドメイドブランドの運用や、雑誌の制作など、多岐にわたって活動をしています。「やったことがないことは、とりあえず挑戦してみる」と語るにこさんに、創作活動のテーマや将来の夢について聞いてみました。
にこを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?
「文化服装学院に通っています。そこで服づくりを学びながら、今年の6月から友人と『CoCo』というハンドメイドブランドを立ち上げて、アクセサリーやタイツなどの小物の販売をしています。
服づくりでは、自分で柄をつくってオリジナルの生地をつくったり、いつも遊びで使っていた針金をジャケットの袖に入れて形をつくったりと、いろいろな技法を取り入れるようにしています。授業でネックレスをつくったことがきっかけで、アクセサリー制作も始めて、学校の販売支援システムを利用して販売もしています。
他にも、『SUMIRE』という学校の雑誌づくりもしています。学内で生徒に突撃して、インタビューやスナップを撮影したり、取材をしたりしています。コミュニケーションをとることや写真を撮ることが好きなので、それを活かしていきたいです。
自分のいまいる環境を最大限に生かすことを大事にしていて。興味をもったものには挑戦をしてみること、やったことがないことにはとりあえずやってみることを意識していますね」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「保育園でノコギリや釘を使った工作をしていたり、よく折り紙を折っていたりしていて、小さいころからものづくりが好きだったんです。なので、中学生くらいのころから、将来は何かものをつくる仕事がしたいなって考えていました。
高校1年生の終わりごろに、オリジナルのバッグを考える授業があって。イラストを描くことまでが課題だったんですけど、実際につくってみたら面白いんじゃないかなって思って。そこで、ミシンを衝動買いして、見よう見まねでつくってみたんです。本当にデニムのバッグが完成しちゃったし、なにより縫っていてすごく楽しかったんです。
高校3年生のときの担任の先生が、自分の服のブランドを持っていて、自分でつくったジャケットを着て仕事をしていたんです。その先生に憧れて、服のつくり方をちゃんと学んでみたい!って思って、服飾の専門学校への進学を決めました」
Q3. 活動におけるテーマは?
「五感や感情などの、人間のもつ感覚をテーマにしています。例えば、風が吹いたときの、ふわっとした肌の感覚や、わくわくするような直感的な気持ちから、生きることや亡くなることを考えているときの抽象的な想いまで、いろんな感情を込めています。
それが印象的なものになるように、質感や色、形に納得するまでとことんこだわって、バランスをとってつくっています。
1年生のときは、自分の見たものやおいしいと思った食べ物など、身の回りのものを自分の視点に落とし込んでつくっていたので、これからはもっと感覚的で感情的なコンセプトを伝えていきたいですね」
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Q4. つらいことや悩みなどを教えてください。
「自分のデザインやアイディアが、いいものだって信じられなくなってしまうときは、やっぱりつらいです。はじめは、『これだ!』って思っていたものが、作業を進めるうちにつまらないものに見えてきちゃって、手が止まってしまうことがあるんです。
それに、自分のつくったものについて、人から評価をもらうことで、自分自身が評価をされているように感じてしまうのも悩みです。
アクセサリーの販売では、売り上げによって他者からの意見がはっきりとわかるし、服づくりでは、SNSでのいいねの数やコメントなどの反応が来るので……。どうしても、まわりからの反応で一喜一憂してしまいます」
Q5. 将来の夢は何ですか?
「30歳までにブランドを立ち上げて、デザイナーとして働きながら、子どもを育てること。そして、人生を通して、そのとき置かれている環境をデザインに落とし込むことです。
いつか、イギリスで働いてみたいっていう夢もあります。それから、子どもがすごく好きなので、仕事をしながら家庭も両立させたいです。デザイナーとしても人間としても、たくさんの変化のある人生を送っていきたいです」
にこのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都
所属:文化服装学院
趣味:音楽、カメラ、編み物、アクセサリー制作
特技:カメラ、アクセサリー制作
大切にしている言葉:やらない後悔より、やった後悔
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Photo:Nanako Araie
Text:Mao Kawasaki