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研究と社会実装、日本と国際社会の橋渡しができるように。ボーダーレスに活動する高校生【基島隆蔵・16歳】

研究と社会実装、日本と国際社会の橋渡しができるように。ボーダーレスに活動する高校生【基島隆蔵・16歳】

「気になる10代名鑑」の797人目は、基島隆蔵さん(16)。高校生でありながら、すでに大学の研究に参画して、研究成果の社会実装に取り組んだりするなど、精力的に活動しています。現在はアプリ開発にも注力しているという基島さんに、活動の原動力や今後の展望について、詳しく聞いてみました。

基島隆蔵を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れている活動は?

「現在は、主にふたつの活動に取り組んでいます。ひとつめは、計算論的精神医学という神経科学の研究と、心理学・神経心理学の研究です。どちらも、強迫性障害に関するテーマで行っています。研究だけにとどまらず、その社会実装をめざして、メンタルヘルスサービスの開発にチャレンジしています。

ふたつめは、日本とアメリカの高校生をつなぐSNSの開発です。『U.S.-Japan Connector』という、社会課題を起点に、日米の高校生がつながれるオンラインプラットフォームをつくっています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

心理学に興味をもったのは、知り合いに強迫性障害、精神障害を抱えている人がいたからです。どうにか彼らに寄り添いたいと思って、強迫性障害の治療について、独学で勉強し始めました。それが中学3年生ぐらいのときです。

もうひとつの『U.S.-Japan Connector』の開発を始めたきっかけは、シンガポールに住んでいた影響が大きいと思います。国際関係論にも興味があって、日本にいながら、海外の学生たちとの交流の機会を増やしたいなと思っていました。また、これまで海外の研修プログラムに参加したこともあって、海外の学生たちの視野の広さや知識量に圧倒されたというのもあります」

Q3. 活動する上で大切にしていることは?

どれだけ夢中になれるか、ということを大切にしています。心理学・神経科学の研究やサービス開発、U.S.-Japan Connectorでのアプリ開発、大学系ベンチャーキャピタルでのインターンなど軸を中心に、さまざまなことをやっていますが、全部好きなことをやっているだけなんです。

特に精神障害の疾患メカニズムや、マインドフルネスの科学的なアプローチなどが好きすぎたので、大学の先生にコンタクトをとって、お会いして、高校生ながら、研究に参画させてもらえることになりました。

熱意があれば年齢や住んでいる場所なんか関係なく、いろんなチャレンジができると思います」

Q4. これまでの活動のなかで、影響を受けたものはありますか?

マインドフルネスとは何かを科学的根拠に基づきながらも定性的にも解説している『スタンフォード大学 マインドフルネス教室』という本です。。

著者であるスティーヴン・マーフィ重松さんは、尊敬する研究者のひとりです。いろいろな文献を探していたときに彼の論文を読んで、『これが僕のやりたいことだ!』と気づかせてくれた存在なんです」

Q5. 今後の展望は?

「いまやっている研究の社会実装を本格的に実現できるように、アクションを続けていきたいです。そのためにも、まずは大学に進学して、どっぷり研究に浸かりたいです。日本の大学も魅力的ですが、海外大学の進学をめざしています。

特に、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学は、学生のレベルも、また研究を社会実装する熱意も高いと思っていて。そういった環境に身を置きながら、研究とプロダクト開発に取り組めたらいいなと思っています。

そしていずれは、研究、起業の実践者としてはもちろん、ベンチャーキャピタリストのように、熱意ある研究者たちをサポートできるような存在になりたいです

基島隆蔵のプロフィール

年齢:16歳
出身:シンガポール
所属:ラ・サール高等学校、東京大学 Good Life on Earth、The New York Academy of Sciences Junior Academy、The University of Tokyo Edge Capital Partners、U.S.-Japan Connector
趣味:スケボー
特技:バスケ
大切にしている言葉:Beginner’s Mind (鈴木俊隆) 、精神障害を解明する

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Photo:Nanako Araie
Text:Ayuka Moriya

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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