「気になる10代名鑑」の764人目は、あかりさん(19)。東京都市大学の都市生活学部で学びつつ、自然と人が集まる公園空間の研究に取り組んでいます。将来は、公園の空間デザインに携わりたいと話すあかりさんに、活動を始めたきっかけや将来の展望について、話を聞いてみました。
あかりを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れていることは?
「全国の公園を研究して、居心地のいい公園空間について、学術的なアプローチをしています。
公園の研究をするときは、ひたすら公園の景色を細かく撮影したりしていくんです。その撮影データを使って、使われている設備の色を分析をしたり、大学の友人にアンケートをとって、公園の写真から浮かぶ感情を言語化してもらったりと、心理学的な方法も組み合わせたりしています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「以前、中国の深圳に住んでいたのですが、そのとき、実際に公園ができあがっていく過程を見たことがきっかけです。
自分の家の前の土手が、だんだんと整備されて、橋ができて、公園になったんです。公園になると、これまでまったく人の集まらなかった場所が、みんなの空間へと変わっていったんです。毎日の生活や人とのつながりは、環境によって大きく変わることを実感しました。
その後、高校のとき日本に帰国して公園に行ってみたのですが、地域の公園に来る人がそもそも少なかったり、中国では自然に生まれていた、人と人との会話が少ないことに気がついて。それで、日本の公園空間を研究しようと決めました」
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Q3. 活動するうえでの悩みは?
「これまで、いろんなジャンルの活動に挑戦してきたことで、逆に自分の活動の軸がわからなくなってしまったときがつらかったです。
公園の研究以外にも、自分で立ち上げた『生理用品×学校』に関する団体での活動など、やりたいことはたくさんあるのに、受験までにメインの活動を決めて進めなきゃいけなくなって。なんだか受験のために、将来の選択を急かされているような気持ちになったんです。
でも、これまでの人生とつながりのあるような、自分だからこそできることを活動の軸にする、という考え方に転換したことで、いまでも好きだと感じ続けられる研究テーマを見つけることができました」
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Q4. 最近、ハマっていることは?
「シャボン玉にハマっています。『IKEBUKURO LIVING LOOP シャボン玉KIOSK』という団体に所属していて、街のいろんな場所でシャボン玉を吹くという活動をしています。
シャボン玉の魅力って、小さい子から大人まで、いろんな人が集まってくるところ。そこには新しい空間ができているように感じて。
シャボン玉に限らず、子どものころ、いつも身近にあった“楽しい”という純粋な気持ちを、大人になっても忘れずに持ち続けていたいです」
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Q5. 将来の展望は?
「具体的な職業は決まっていませんが、公園の空間デザインに携わりたいです。公園って、遊ぶ場所というだけではなくて、人との新しいつながりの場になったり、住んでいる町を好きになるきっかけの場所にもなったりすると思うんです。
いつか、地域の人が気軽に集まれて、心が休められる……みんなで大切にしていきたいと思える公園をわたしの手でつくりたいと考えています。そのために、いまは人と公園との関わり方を分析して、自然と来たくなるような公園づくりに向けた研究を進めていきたいです」
あかりのプロフィール
年齢:19歳
所属:東京都市大学都市生活学部、「生理用品×学校」設立者元代表、Classroom Adventure、IKEBUKURO LIVING LOOP シャボン玉KIOSK、a.schoolプロジェクト部メンター
趣味:自然を感じること、人間観察
特技:嗅覚が鋭いこと
あかりのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Mizuki Maeda