「気になる10代名鑑」の744人目は、久慈麻里夢(16)さん。子どもたちを支援するNPO法人『On the road』でのインターンシップにも取り組み、来年には留学プログラムで、インドへの渡航が決まっています。「カーストに関係なくすべての子どもたちが夢をみて、ワクワクした人生を歩める世界にしたい」という目標を持つ麻里夢さんに、活動を始めたきっかけや将来の展望についてお聞きしました。
久慈麻里夢を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れている活動は?
「『カーストに関係なくすべての子どもたちが夢をみて、ワクワクした人生を歩める世界にしたい』という目標実現に向けて、NPO法人『On the road』でインターンシップをしています。2025年の3月には、1か月間、インドで現地スタッフとして活動することが決まっています。
最近では小学生向けの、世界の人と交流できるオンラインイベントの企画や運営も始めました。平和な世界をつくりたいという目標ももっていて、世界中に友だちをもつ人が増えれば、きっと戦争が他人事ではなくなるし、対話で対立を解決しようというアクションも、いまより起こりやすくなると思うんです」
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Q2. 活動を始めたきっかけを教えてください
「2歳のとき、家族とフィリピンのマニラに、教育ボランティアに行ったことがきっかけです。このころから漠然と、国際平和や教育に興味をもつようになって。国同士が武力で問題解決をしようとしたり、子どもたちが巻き添えになったりする問題を、“自分ごと”として捉えるようになりました。
具体的には、マニラでの活動で交流をもった『マニラ育英会』というNPO法人での手紙の翻訳活動が、現在おこなっている活動のファーストアクションにもなっていて。
マニラの子どもたちから、日本の里親に届く手紙を翻訳する活動をすることで、勉強や家族に対する子どもたちの素の想いを感じられたし、貧困に苦しんでいる人々の生活の実態も知ることができたんです」
Q3. 活動の中で、つらかったことを教えてください
「いくつものプロジェクトを掛け持ちすることが多いのですが、そういうとき、ひとつひとつに全力を注げず、不完全燃焼になってしまうのが悩みです。
とくに、何人かで活動するプロジェクトを、納得のいかないかたちで終わらせてしまうと、他の人にも迷惑をかかってしまうので……。手が回らないときは、ちゃんと周囲に相談したり、頼ったりすることも大切にしたいです。
まわりの人たちに対する感謝の気持ちや、迷惑をかけてしまったときに申し訳ないっていう気持ちは、ずっと大切にしないといけないな、と感じています」
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Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「ヒンディー語を学んでいます! インドに住むほとんどの人たちは、英語を話すことができるんですが、フリースクールの子どもたちや、教育を受ける機会がなかった人たちは、英語を喋ることができないんです。やっぱり、インドでもできるだけ多くの人と関わりたいと思っているので、ヒンディー語の勉強を始めました。
ヒンディー語の教材はあまり多くないので、オンライン英会話でインド人の先生を見つけて、英語ではなくヒンディー語で教えてもらったり、知り合いのインド人に、ヒンディー語で日本語を教えるようにしたりと、人と会話して覚えるようにしています」
Q5. 将来の夢について教えてください
「大好きなインドで、法人を立ち上げることです。まだ具体的な事業内容は決まっていないけど、自分で立ち上げた会社の利益で、国籍や年齢、障がいの有無に関わらず、輝くことができるミュージカル集団を設立したいです。
わたし自身、中学2年生からミュージカルをやっていて。舞台から見える景色がすごく好きだし、年齢も国籍も超えられるエンターテインメントだと思うんです。
日々、いろいろなことを吸収する機会があるから、夢も変わっていくと思うけど、何歳になっても、いまと同じように毎日ワクワクしながら生きていきたいです」
久慈麻里夢のプロフィール
年齢:16歳
出身地:岩手県 盛岡市
所属:盛岡白百合学園高等学校生徒会長、トビタテ留学JAPAN第9期生、NPO法人On The Road 、NPO法人盛岡マニラ育英会、Very50 EGG3期、高校生一万人署名活動
趣味:1on1、歌うこと、音楽聴くこと、踊ること
特技:恐れないで挑戦できる、みんなと仲良くなれる
大切にしている言葉:迷ったら心がワクワクするほうへ
久慈麻里夢のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi