
「気になる10代名鑑」の779人目は、後藤慶多さん(18)。誰でもウェルビーイング体感ができるような場所をつくる準備をしています。将来は世界一ウェルビーイングな村をつくることが目標だと語る後藤さんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
後藤慶多を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を注いでいることは?
「いつでも誰でも、そこにくればウェルビーイングを体感できるような場所をつくるための準備をしています。
ウェルビーイングは、簡単にいうと“幸せな状態”のこと。幸せな状態って人それぞれだし、完全に言語化できるものじゃないと思っていて。だからこそまず体感覚を解放して、自分にとってのウェルビーイングを知ることができる場所をつくりたいんです。
将来は、『世界一ウェルビーイングな村』をつくりたいと思っていて。現在は一軒家というかたちから始めています。ある地域で子どもの居場所づくりに力を入れている方や自治体の方といろいろ話し合っている最中で。クラウドファンディングにも挑戦する予定です」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「ウェルビーイングに興味を持ったのは、自分で考える力をつけて、自分自身を見つめることが必要だと気づいたから。そして大学で学んでいくなかで、ウェルビーイングはただ知識として学ぶだけでは捉えきれないものなのではないかと思うようになりました。
言葉で理解しようとするとワードだけが先行して、細かなディテールがないものになってしまう。だからこそ、『体感する』という部分にこだわって、実際の居場所づくりをしていくことで、一人ひとりの生活にウェルビーイングを落とし込めるようにしています」
Q3. 印象的だった出会いはありますか?
「起業家でありながら教員をされている、小泉志信さんとの出会いです。高校3年生のときに参加した『箱根Neighbors Camp』でお話を聞いて、手段でしかない教育の先にある、生徒になって欲しい姿や自らの教育者としての在り方などと全力で向き合っている、本物の教育者だと思いました。
それから、小泉さんの活動に参加させてもらうようになって、小学4年生を対象とした『見取り合宿』に、ボランティアとして参加しました。そこでは、生徒の行動ひとつから、その裏にある意図や真意を考察して教育することを意識していて。
教育学部の方に混じっての経験だったので苦労したし、自分がいかに薄っぺらく“教育”というものを捉えていたのか、痛感しました。でも、そこでの出会いや挫折の経験があったからこそ、教育についてより深く考えることができているとも思っています」
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Q4. 最近、興味があることは?
「焚き火が好きで、焚き火サークルをつくりました。もともと、学部の先生に焚き火が大好きな先生がいて。誘われたので参加してみたら、すごく楽しくて。
揺れる炎を見ることもそうですが、火に集まった人たちが、そっと言葉を紡いでいくのが好きです。焚き火がある心地良い空間だと、自然と対話が生まれるという点に、魅力を感じました。
いま計画中の、ウェルビーイングを体感できる一軒家でも、焚き火ができるスペースは確保したいなと思っています」
Q5. 将来の目標は?
「世界一ウェルビーイングな村をつくりたいです。やっぱりウェルビーイングは、体感してこそ深い理解が得られると思っていて。『幸せとはこう』って言われても、頭で理解しづらいからこそ、体感できる場をつくりたい。
そして村にこだわっているのは、その体感が非日常で終わってほしくないから。たまに訪れる場所は、非日常にしかならないと思っていて。村をまるごとデザインすることで、その村に住んでいる人の人生や生活のレベルまで落とし込んでほしいと思っています。
これは、宮崎駿さんの『虫眼とアニ眼』という本に描かれていた村を参考にしていて。いつか村をつくるときには、宮崎駿さんに認めてもらいたいって考えています。活動を通して、ウェルビーイングを感じ、大切にしてくれる人が増えてくれたら嬉しいです」
後藤慶多のプロフィール
年齢:18歳
出身地:千葉県
所属:武蔵野大学ウェルビーイング学部、東大Philosophy Collectives Network、まなびぱれっと ねすと、公立小学校 コミュニティスクール オブザーバー、対話塾
趣味:焚き火、森に入ること、対話すること
特技:カラオケで女王蜂の曲を+3キーして、95点取ったことがある
大切にしている言葉:Que sais-je?、対話
後藤慶多のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Chikiri Kudo