「気になる10代名鑑」の754人目は、秀島知永子さん(18)。アプリケーションの力で、普段見えない悩みを共有し、対話の場や政治参加へのきっかけを作る活動をしています。将来は、当たり前の日常を守ることのできる政治家になりたいと力強く話す秀島さんに、活動を始めたのきっかけやファーストアクションについて聞いてみました。
秀島知永子を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「『EchoHub』という企業を立ち上げて、行政に携わる人と若者が直接コンタクトをとって、政策に対する意見を交換し合うためのアプリケーションを作っています。
普段、誰かとすれ違っても、他者の悩みは見えないし、知らない人には悩みを打ち明けづらいと思うんです。でもアバターを通すことで、家庭のことや学校での悩みを打ち明けられるかもしれない。アプリを入れて町を歩くだけで、自分と同じ境遇にいたり、社会問題に直面している人がたくさんいることに気がつく、という世界を実現させたくて。
ゆくゆくはアプリの力で、孤独感が解消できたり、若者のリアルな声を行政に届ける場になったりするように、研究開発を進めているところです」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「通っていた高校で、産休に入る先生の替わりが見つからず、ひとりの先生が2クラスを受け持っていた時期があったんです。教員の労働環境の大変さや人手不足の問題は知っていたけど、すでに学習環境にも影響が出るくらい大きな問題であることを実感しました。
そこで、教員の労働環境の改善のために、『日本若者協議会』という団体で、都議会に政策提言を行なったんです。結果的に、30,000人を超える署名を集めることができたのですが、実際に現場を変えるには至らなくて。
それでも、行動し続けることで、社会を変えることができるかもしれないと思ったんです。もっともっと、若者の声を政治の世界に届けやすい環境をつくる必要があると思って、起業してアプリ開発をすることにしたんです」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「いきなり起業しました! 深く考えるよりも、まず行動するようにしているので、ノリと勢いで会社を立ち上げたんです。
あとは、面白い人に出会って、その人から受けた刺激がアクションの原動力になることが多いので、何かを始めるときは必ず、関連するイベントに積極的に参加して、いろんな人に話しかけるようにしています。
とりあえずやってみることがわたしのモットーです」
Q4. 活動する中で、印象的だった出会いは?
「活動の中で出会った、政治家の方々との出会いです。直接お話しを聞くと、国民のためを思って立ち上がり、理想の社会を作るために、社会問題と向き合い続けていることがわかりました。
国民の意見を聞きながら、不条理な現場やルールを変えるように努力している政治家の方々は、わたしにとって、ヒーローのような存在です。
なので、自分の名前や顔を覚えてもらっていたときは、活動が評価されているってことを感じられて、さらにやる気がでました」
この投稿をInstagramで見る
Q5. 将来の展望は?
「いつか、わたし自身も政治家になって、当たり前の日常を守る存在になりたいです。幸せに暮らすことを人任せにせず、自分自身がその主体となって行動することが大切だと思っています。
でも、若者も含めて、政治に携わる人と対話できる場所がなければ、リアルな意見を政策に反映させるのは難しいですよね。なので、まずはアプリの開発と運営に集中して、対話のきっかけづくりに取り組むことで、政治と若者のパイプ役を担っていきたいです」
秀島知永子のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都荒川区
所属:日本若者協議会、民主主義ユースフェスティバル実行委員会、StudentsChangingEducation、EchoHub
趣味:面白い人と出会い、対話すること
特技:初対面の人とも仲良くなれる
大切にしている言葉:リスクを取って戦わないと勝てない、権利は黙っていたら奪われる
秀島知永子のSNS
ピッチコンテストに出場してきました‼︎
グランプリは取れなかったけど、とても良い経験になりました熱い情熱を持って起業に向けた取り組みを進めていきます#情熱ピッチ pic.twitter.com/40tnEchZ2q
— ちえこ【公教育を変えるjk】 (@chieko_0527) July 19, 2024
この投稿をInstagramで見る
★litlink
Photo:Eri Miura
Text:Mizuki Maeda