「気になる10代名鑑」の735人目は、Reiraさん(17)。LGBTQ+や障がいをもつマイノリティに向けたファッションの楽しみ方を広げていくために、ボランティアやショーのプロデュースをしています。来年からは服飾の専門学校に進学し、本格的にデザインを学ぶと話すReiraさんに、力を入れて取り組んでいることや将来の展望について聞いてみました。
Reiraを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは?
「LGBTQ+を支持するイベントのボランティア活動や、障がいをもつ人にフォーカスしたイベントに参加したりしています。
今年の5月には、マルシェという場を通じて、知的障がいをもつ人が就労体験をしたり、マルシェに参加できる環境をつくる『SJE(Sustainable Job Experience)マルシェ』の方たちと一緒に、ダウン症をもつ人がモデルを務める、インクルーシブファッションショーを開催しました。
ダウン症をもつ人とそうじゃない人、お互いにもっている偏見や差別がなくなるようにという思いで、ショーの衣装や音響、構成のプロデュースをしました。初めての経験だったので、大変なこともあったけど、たくさんの人たちに支えてもらったおかげで、無事に成功させることができました!
他にも、スローファッションやエシカルファッションを支持する団体の活動にも参加していて、いまは古着回収ボックスの設営に取り組んでいるところです」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小学生のときに、発達障がいをもっているクラスメイトの子がいじめを受けていて。なんで人と違うだけで非難されなきゃいけないんだろうって考え始めたんです。そこから、さまざまなマイノリティをとりまく社会について、意識するようになりました。
自分で活動をしようと思ったのは、高校生になってから。自分の好きなファッションを通して、多様性を実現することができるんじゃないかなっと思ったんです。そこから、友だちから団体の人を紹介してもらって、いまの活動につながっています」
Q3. 活動をする中で、悩みはありますか?
「インクルーシブファッションショーを開催するとき、当事者であるダウン症の人にとって、このショーが本当に良いものなのか、ということを何度も悩みました。
わたしは、活動を通してダウン症をもつ人が生きやすい世の中にしたいと思っているけど、それは当事者にとっては求めていないことかもしれないし、逆に苦しめてしまっているかもしれない。だから、意見をなるべく直接聞くようにしています。
とはいっても、直接意見を聞くのが難しい場合もあるので、彼らにとっていちばんの理解者である保護者の方の意見も取り入れるようにしていて。ただ、それもやっぱり100%の当事者の意見じゃないから、難しいです。ショーのリハーサルや当日に、半ば無理やりつれて来られている光景も見かけました。
これから活動していくうえでも、“当事者にとって本当に必要なことは何か”という問いをもち続けていこうと思います」
Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「夢であるファッションデザイナーになるために、本格的にデザインの勉強をはじめました。
まだまだはじめたばかりだけど、LGBTQ+や障がいをもつ人に向けたデザインに興味があります。例えば、身体の欠損を、個性として活かせるようなデザインだったり。既存の概念にとらわれず、ファッションを楽しめるようなものをつくりたいと思っていて。あとは、色彩理論やカラーユニバーサルデザインの勉強もしています。おしゃれなのはもちろん、知識をつけることで、より心地良い洋服が作れると思っています」
Q5. 将来の夢は何ですか?
「ファッションを通して、多様性を実現すること。来年からは、服飾の専門学校に通って本格的にデザインを学ぶ予定です。いろいろな壁をなくしていって、ディスアビリティが個性だって捉えられるような世の中にしたいです。
自分の偽善ではなく、本当に相手のためになることをするには、当事者の話をきちんと聞くこと、そして現状を知ることがすごく大切だと思うんです。芯をもって、これからも活動をしていきたいです」
Reiraのプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都
所属:郁文館グローバル高等学校
趣味:絵を描くこと、作品を作ること、寝ること
特技:絵を描くこと、裁縫、料理
大切にしている言葉:みんなちがってみんないい、Everyone is different Everyone is special !
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Photo:Eri Miura
Text:Mao Kawasaki