世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、環境月間である6月に考えたい、衣類の廃棄問題と、京王電鉄の駅や施設で行われる古着回収の実証実験をご紹介します。
衣類の廃棄について考えてみよう
6月5日は「環境基本法」に定められた「環境の日」であり、さらに6月の1か月間は、環境庁が主唱する「環境月間」とされていて、「この日に環境保全の重要性を認識し、行動の契機とするためさまざまな行事が行われている」と、環境省のホームページに記載されています。
ただ、ひと言で「環境保全」「環境問題」といってもその範囲はとても広く、すべての問題に目配りするのは容易なことではありませんよね。
例えば、わたしたちの生活に密着している衣類。日本国内に新たに供給量される衣料品の生産は、2022年で計79.8万トンでした。一方で、家庭、事業所の両方から不要となった衣類の量は73.1万トンと推計されています。
73.1万トンのうち、廃棄される量は47.0万トンで、それは手放される衣類の64.3%に上ります。残りの26万トンはリユースされたり、リサイクルされたりしていますが、その割合が伸びていないという現状にあります。
伸び悩んでいる理由はさまざまですが、リユース・リサイクルをしたくてその方法がわからなかったり、リユース・リサイクルするのが面倒だと感じていたりという理由もありそうです。
京王電鉄の駅や施設で古着回収の実証実験がスタート
古着の街として有名な下北沢をはじめ、京王線・井の頭線の一部の駅・施設において、古着回収BOXを設置しています✨
再利用できる衣類、タオル、スーツ(上下セット)、小物類、カバン、財布…など、この機会に投函してみませんか?👔設置場所はこちら👇https://t.co/n85DJYUD1r#ROOOT pic.twitter.com/ElQfVpwcEr
— 京王電鉄広報 【公式】 (@keiopr_official) May 9, 2024
古着の街として有名な下北沢に駅や商業施設を持つ京王電鉄は、ヒトカラメディアとともに、京王線・井の頭線の一部の駅・施設において、専用のボックスを設置し、古着を回収する実証実験を始めました。
京王電鉄はリサイクル品として、別の使い方を模索する以外に、京王沿線のさまざまな場所でリユース品として循環させる仕組みをめざしています。やがては、クリエイターなどと連携したアップサイクルおこなって、衣類循環型社会のインフラ構築をしていくのだそうです。
設置個所は以下のとおりです。
① ミカン下北・A街区2階 エレベーター前
② 明大前駅改札内 2番線ホーム連絡通路
③ 永福町駅改札外 南口1F部
④ 池ノ上駅改札外 エレベーター横
⑤ 東松原駅改札外 西側出口方面コンコース
⑥ 久我山駅改札内 改札階コインロッカー横
①は9:00から22:00、②~⑥は始発から終電まで、回収ボックスヘ投函可能。駅に回収ボックスがあると、登校や出勤、お出かけのついでに出すことができて便利ですよね。
入れられる衣類は、再使用できる衣類のほか、フェイスタオル、バスタオルやネクタイ、帽子、スカーフ、マフラーなどの小物類、カバン、財布、アクセサリー類、着物、帯まで、多岐に渡ります。出すときは紙袋、ビニール袋、ポリ袋等に入れてから投函するルールになっています。汚れ、破れ、シミのある衣類や、下着、靴下、布団やラグの類は入れることができませんのでご注意を。
毎日、使うものから考える環境のこと
トレンドの移り変わりなどもあり、どうしても出てきてしまう、着なくなった服や。クローゼットの奥などに何が入っているかわからなくなっているという人も多いでしょう。
まずは定期的に、クローゼットの中の衣類を整理して、どんな衣類をもっているか把握するようにしましょう。「似たような服があるのにまた買ちゃった!」なんていうことが減らせるかも。気に入った服を手入れしながら長く着るのが、いちばんのエコになります。
もちろん、服のサイズやファッションの好みが変わったなどの理由で衣類を手放したくなることもあるでしょう。そんなときは、安易に捨てる前に、まずは周辺で古着の回収システムがないか、調べてみましょう。
References:
環境省「環境の日&環境月間」
環境省「SUSTAINABLE FASHION」
Text:Itsuki Tanaka