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なくならないアフリカの児童婚。マラウイの女性首長の行動から何を学ぶ?【Steenz Breaking News】

なくならないアフリカの児童婚。マラウイの女性首長の行動から何を学ぶ?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、マラウイで児童婚が廃止されたニュースについてお伝えします。

権利だけでなく生命をも奪う児童婚

アフリカに根付く重大な人権問題、それが児童婚です。UNICEF(国際連合児童基金)の報告によると、アフリカでは、1億2,500万人の女の子と女性が18歳未満で結婚させられていて、女の子が18歳未満で結婚する割合が高い10か国のうち、8か国がアフリカの国々です。

アフリカ大陸の南東部に位置する内陸国・マラウイも、児童婚率が高い国のひとつ。2018年に発表された文書によると、18歳未満の女子の結婚率は約46%、15歳未満でも9%に上ります。

恋愛結婚がほとんどの地域で主流となっているアフリカ大陸。それでも、都市と村には大きな違いがあり、特に村では半強制的な児童婚が続いているのが現状です。

世界保健機関によると児童婚の悪影響として、学校に行けなくなるなど、学びの機会が奪われてしまうほか、性的虐待や配偶者による暴力を受けやすいとされています。さらに、妊娠や出産による合併症も深刻で、世界中の15歳から19歳の死因の第2位にのぼります。

特に発展途上国においては、若年妊娠によって、多くの少女がフィスチュラと呼ばれる病気にかかっています。フィスチュラは体が小さい妊婦に起きやすく、難産によって産道の一部が壊死し、膣から尿や便が漏れるようになってしまう病気です。国連によると、世界には少なくとも200万人以上の女性がフィスチュラと闘っていると言われています。

多くの女の子を救ったひとりの女性首長

2015年、マラウイでは法廷結婚年齢を15歳から18歳に引き上げる法律が制定されました。制定までには多くの女性の活動が貢献しており、村単位でも少女の早婚や性暴力から守る条例の批准と制定がされています。

 

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しかし、親と族長の同意があれば結婚できるなど、抜け道が指摘されているこの法律。そこに変革を起こしたのが、90万人規模のデッザ県で、初めての女性の上級首長となったテレサ・カチェンダモトです。

カチェンダモトは「子どものお母さん」がいなくなることを目標に、まず、児童婚に賛成した4名の男性族長を停職処分にしました。

 

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また彼女は、家庭が貧しいことから強制的に結婚させられ、現金や品物と取り替えられる少女を取り巻く環境を変えようとしました。具体的には、子どもが学校を辞めないように支援するコミュニティづくりや経済的に苦しい家庭の支援を始めたのです。こうした活動のおかげで、彼女は現在まで、2000件以上の児童婚を解消させてきました。

すべての人への教育がカギ

児童婚に対しては、「単なる文化」として捉える向きもありますが、現実には、多くの女の子の未来を奪う、著しい人権侵害です。その背景にあるのは、貧困や教育の欠如といった、さまざまな問題が重なり合って複雑化した現実です。

カチェンダモトは上級首長という立場を利用して、少女たちを対象にした教育だけではなく、最終的な決定権をもつ男性や、女の子をもつ親に対する教育もおこないいました。この「全セクターへの教育」が、社会の変革への大きな一歩につながったのです。

カチェンダモトは、国連に対して「児童婚を廃止させれば、結婚以上に手に入るものは大きい」と発言しています。マラウィから遠く離れた日本でも、こうした現実に対して他人事にせず、どうすれば子どもの人権や生命が守られるのか、考えるべきなのではないでしょうか。

References:
HRW「“I’ve Never Experienced Happiness”」
WHO「Adolescent pregnancy」
UNFPA「OBSTETRIC FISTULA」
THEGUARDIAN「How girl activists helped to ban child marriage in Malawi」
VITAL VOICES「SENIOR CHIEF THERESA KACHINDAMOTO」

TextHao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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