世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、パタゴニア プロビジョンズより発売されたオーガニック味噌について、ご紹介します。
自然を育む「オーガニック味噌」
2024年3月14日、アウトドアブランドのパタゴニアから、オーガニック味噌が発売されました。
千葉県のソーラーシェアリングの畑で育った不耕起有機大豆を原料とし、約20か月間もかけて長期熟成した辛口味噌。深みとコクがあり、旨味も風味も強い濃厚な味わいが魅力です
「アウトドアメーカーからなんで味噌？」と疑問をもつ人も多いでしょうが、パタゴニアといえば、環境保護やサステナビリティーへの深いコミットで知られている環境企業。そんなパタゴニアが生み出した「自然を育む味噌」。そのポイントを見ていきましょう。
土を耕さない不耕起栽培とは
先ほど、材料について、「不耕起有機大豆」とご説明しましたが、「不耕起栽培」がどのようなものか、みなさんは知っていますか。これは、通常の農法でおこなっている、トラクターを使用して土壌を耕す作業「耕起」をなるべく行わない農法を指します。
そのメリットの多さから、近年注目を浴びている不耕起栽培。トラクター使用による化石燃料消費を抑えたり、土壌生物や微生物が働きを発揮しやすい土壌環境になったりと、環境負荷を軽減した栽培方法なのです。また、土壌の浸食削減・水分保持・有機物の蓄積によって、土壌の中に炭素が固定されやすくなるといったメリットも。
とはいっても、ナチュラルな栽培方法というのは理想論であり、収穫量が少なくなってしまうのでは……と思ってしまいがちですよね。しかし現状としては、収穫量の減少は報告されていません。実際、パタゴニアの発表によると、面積当たりの収量では、2022年産比較で全国平均と同等以上の実績を得ることができたそうです。
リジェネラティブ・オーガニックの取り組み
パタゴニアの味噌づくりに使用される不耕起有機大豆は、リジェネラティブ・オーガニック（RO）認証の取得をめざして不耕起有機栽培の実践を進めている、千葉県匝瑳市の有機JAS認定圃場のソーラーシェアリングのもとで生産されています。
「リジェネラティブ・オーガニック」とは、環境を再生する有機農業をベースとしながら、さらに動物や人間、そしてコミュニティ全体をよくしようとする農業です。
ソーラーシェアリングとは、営農型太陽光発電とも呼ばれる太陽光発電の一種。農地の上に太陽光パネルを設置し、農業と太陽光発電を両立するものです。
畑の上に設置された細方のパネルを通して、温かい太陽の光が降り注ぐ中、大豆はすくすくと育ちます。ネガティブなイメージが先行しがちな、森林を切り崩して設置する大規模なメガソーラーとは違い、ソーラーシェアリングは、農業や自然環境に寄り添っていることが特徴です。
一部店舗では期間限定オーガニック味噌メニュー提供も
提供：朝食屋コバカバ
そんなサステナブルな農法でつくられた味噌。試してみたくなりますよね。
パタゴニア鎌倉とパタゴニア東京・丸の内近隣の飲食店では、2024年3月14日からオーガニック味噌を使用したメニューが登場。例えば、「朝食屋コバカバ」では、すべての定食で、お醤油の替わりやごはんのお供として、そのままのオーガニック味噌を提供しています。また「みそスープBAR」では、パタゴニア プロビジョンズのオーガニック味噌、白味噌と麦味噌の合わせ味噌の豚汁を、期間限定で提供しています。
いずれも売り切れ次第終了とのことなので、味を確かめたいという人は、早めに足を運んでみてください！
身近な食からサステナブルな未来を見つめよう
これまでもビールを発売したりなど、食品領域でも独自のスタンスを示し、さまざまな商品を通して、自然や環境について考えるきっかけを与えてくれて、ワクワク感ももたしてくれるパタゴニア。
毎日の食卓に欠かせない、日本人にとっても身近な味噌から、持続可能な未来を考えてみませんか。
Text：kagari
