商品の背景にあるストーリーに思いを馳せて。サステナブルな蚤の市『PASS THE BATON MARKET』レポート【Steenz Breaking News】
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今回はサステナブルな蚤の市『 PASS THE BATON MARKET』について、ご紹介します。
「エシカル消費」って何をすればいいの?
一般社団法人エシカル協会によると、エシカルとは、「人や地球環境、社会、地域におもいやりのある考え方や行動」を意味します。
そんなエシカルの定義に則った消費行動が「エシカル消費」になりますが、「おもいやり」というとなかなか抽象的。ハードルが高く感じてしまったり、何から始めたら良いのかわからなかったり……そんな人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめのイベントが、『PASS THE BATON MARKET』です。
PASS THE BATON MARKETとは
このイベントは、さまざまなジャンルの企業・ブランドが参加する蚤の市。企業やブランドの倉庫に眠っていた規格外品、売れ残り品、伝統工芸などの文化に光を当てていることが特徴です。3月9日と10日の2日間、コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」で開催された『PASS THE BATON MARKET Vol.15』に筆者が潜入してきたので、その模様をレポートします。
顔や背景のわかる買い物体験
回を追うごとに参加企業やブランドが増えている『PASS THE BATON MARKET』。今回は、65ものブランドが集結していました。
このイベントを運営する株式会社スマイルズの蓑毛さんは、次のようにコメントしています。
「パスザバトンは1度ご来場いただくくと、リピーターになってくれる方がとても多いんです! 初めての来場は出店ブランドのファンであったなど、直接エシカルやサステナブルとは関係のないケースもあります。お客さまと出店者の垣根を超え、みんなで楽しんで頂ける空間をめざしています」
確かに、リピーターらしき来場者も多そう。とはいえ、堅苦しい感じのないカジュアルさは、初めて訪れる者にも安心です。
会場に足を踏み入れてみると、多くの来場者でいっぱい! 前のめりに作り手とコミュニケーションを楽しんでいる様子が見られます。
会場を回っていると、何やら楽しそうな放送が聞こえてきました。その正体は、運営スタッフによる出店者へのインタビュー。商品に対する熱意やストーリーが語られていくさまは、ライブ会場さながらの高揚感を感じさせ、通りがかった人々も興味深く耳を傾けていました。
お皿が欲しいなと考えていた筆者の目に留まったブースがこちら。「サーキュラーエコノミー」を掲げている石川県白山市のニッコー株式会社です。「陶磁器の循環社会」を掲げており、捨てられてしまう陶磁器から生まれた肥料の開発・販売などを行っているそう。
お話を伺っていく中で、「消費者のひとりとして応援したい」と共感する気持ちが大きくなり、ホテルなど業務用利用もされている、使い勝手の良さそうな浅型のオバール皿を購入。サステナブルかつ、心も満足する、とてもいい買い物体験となりました。
PASS THE BATON MARKETからエシカル消費を始めてみよう
「SDGs疲れ」「サステナブル疲れ」といったワードがさまざまな方面から聞かれるようになったように、「社会的に意義のある良いこと」に対する行き詰まりを感じてしまう人も増えてきているはず。
ただ、あれこれ難しいことを考えて立ち止まってしまうより、真摯にモノづくりに向き合うブランドたちと出会い、コミュニケーションを楽しむことが、エシカル消費への第一歩につながるのかもしれません。そういう観点では、この『PASS THE BATON MARKET』はピッタリのイベント。次回は2024年7月20日、21日に開催予定ということなので、気になった人は公式SNSなどをチェックしてみてください。
Photo&Text:kagari