世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、「全国共済農業協同組合連合会」による、農業に対する意識調査の結果をご紹介します。
ぶっちゃけ農業に対するイメージってどう?
「全国共済農業協同組合連合会」が、2023年12月に全国の10~50代の男女10,000人に対して、「農業に関する意識と実態調査」を実施。その結果が発表されました。その中でも、特に若者世代が農業に対してどのような印象を抱いているのか、気になるところ。さっそく、調査結果を見ていきましょう。
地方暮らしと農業。どう思う?
まず初めに、地方に住んでみたいかどうかの意向を聞く質問から。3人に1人以上が「地方に移住したい・地方に住み続けたい」(37.4%)と回答しています。年代別に見ると10代が48.9%と最も高く、20代でも41.6%が地方での居住を希望しています。また、15歳~27歳のZ世代で区切っても45.1%と、その他の世代の30%台よりも高い傾向にあるようです。
調査対象の10,000人のうち、8,947人が農業の未経験者。そのうちの約4分の1である23.2%が、「農業をやってみたい」と回答しました。中でも10代は28.5%、Z世代は26.9%と、他の年代に比べる高い傾向にあります。
さらに、農業未経験者の中の就職意向がある学生641人に、就職先として農業を選ぶ可能性を聞いたところ、28.1%が就農の「可能性がある」と回答しています。
かつて農業といえば、「体力的にきつい」「1年を通して休みがない」「天候に左右される」「収入が安定しない」「暑さ寒さなど環境が厳しい」といった理由から、若い人からは見向きもされないといった風潮がありました。実際に、農業の高齢化も進んでいます。
しかし近年は、テレビやSNSで度々、生産者の思いが働く姿が伝えられたり、差別化したプレミアムな農作物などが話題になり、農業への敷居が低くなったり、ネガティブなイメージが軽減しているのかもしれません。
農業のイメージと「農業あるある」をチェック
また、農業経験なしで農業に興味があると答えた600人について、さらに詳しく見ていきましょう。いまの日本の農業にもっているイメージは「農業は地域活性化に役立っている」が89.2%、「日本の農業は日々進歩していると思う」が83.0%と、ポジティブなものが多いです。
さらに、5年以上農業に従事している100人に、農業に携わってきたうえでの実感を聞いたところ、「やりがいがある」(38.0%)、「地域に貢献」(34.0%)、「社会の役に立つ」(31.0%)、「かっこいい」(28.0%)、「夢がある」「喜びがある」(同率27.0%)など、こちらでもポジティブなワードが並び、ネガティブなワードを超えています。
ここからわかることとしては、農業経験があってもなくても、農業に対してポジティブなイメージがもてつようになっているようです。
さらに、すでに農業に携わっている人に、よくある出来事や、農業ならではの出来事を聞いたところ、いくつかのトピックがあがりました。
まずは「自然に詳しくなる」というカテゴリーから。天気を予測できるようになったり、生き物に詳しくなったりするのは確かにありそうですね。中には「土を触ると収穫量と出来具合がだいたいわかる(38歳・東京都)」や「野菜を見ただけで栄養があるかないかわかる(41歳・愛知県)」といった、農業を続けているからこそ習得できる感覚も。
そして「カラダもココロも健康になる」のカテゴリからは、「朝ひとりの時間がもてる、大声で歌ってもまわりに人がいないから聞かれない(43歳・青森県)」や「時間の融通が利き会社勤めよりストレスが少ない(48歳・山口県)」という回答がありました。他にも、「困ってもまわりの助けがありなんとかなる(46歳・宮城県)」といった、農業を通した人とのつながりを感じられる声も聞かれました。
農業に興味をもったら…
農業に興味がある若者層は意外にも多く、未経験者も従事者も、農業に対してポジティブなイメージをもっているということが理解できた調査結果でした。もちろん、実際に農業をやるとなったら、大変なことはたくさんあるでしょう。しかし、こうした調査結果を客観的にとらえて、ちょっとした興味を、体験農業や、農家のバイトなどといったアクションにつなげてみてはどうでしょうか。きっといまより、普段口にする食材にありがたみを感じて、おいしく食べられるかもしれません。
「農業に関する意識・実態調査」調査概要
調査対象:10代~50代男女
回答数:10,000人
調査時期:2023年12月21日(木)~ 12月27日(水)
調査方法:インターネット調査(電通マクロミルインサイト)
※本調査に記載の数値は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
Text:Itsuki Tanaka