「気になる10代名鑑」の654人目は、大貫桃加さん(18)。高校の舞台芸術科を卒業し、現在は身体表現者として、さまざまな表現活動に取り組んでいます。些細なことをきっかけに表現活動へのめりこんだという大貫さんが、活動するうえで大切にしていることや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
大貫桃加を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
「いち表現者として、踊りを軸にさまざまな表現活動に取り組んでいます。ダンスは11歳のころからずっと続けていて、神奈川総合高等学校に新設された舞台芸術科に、一期生として入学をしました。
高校の3年間で、いろいろな表現方法があることを学ぶことができました。いまもダンス作品を創作したり、幅広いジャンルを踊ったりしながら、即興的に身体を動かすことを研究しています」
この投稿をInstagramで見る
Q2. どんなことをテーマにして、活動をおこなっていますか?
「ジャンルに縛られることなく、自由な表現力を身につけて、唯一無二な表現者になりたいと思っています。そのためには、わたしの中から湧き出てきたものと向き合い、わたし自身が納得いく踊りを、いつも考えるようにしています。同じ動きでも、ちょっとした体の使い方で印象は変わるんです。繊細な表現の追求には終わりがないな、と思います。
また、ずっと振り付けというものに違和感を感じていて。できるだけ鏡や外的な環境要因がない場所、たとえば公園のような、自然に囲まれた場所で踊る時間も大切にしています。わたしにしかわからない繊細な感覚だけを頼りに、のびのびと踊るのが、とても気持ちいいんです」
この投稿をInstagramで見る
Q3. 活動を始めたきっかけは?
「小学校4年生のときに、ソーラン節を踊る機会があったんです。そのとき、ダンスを習っていた友達がめちゃくちゃ上手で、その姿がかっこよくて。当時、わたしは水泳や体操を習っていたんですが、すぐ『ダンスをやりたい!』と親にお願いしました。とても些細なきっかけだったので、正直、こんなにも夢中になって、ここまで続けるとは思っていませんでしたね(笑)。
ダンスをやっていくうちに、踊っているときが、いちばん自分らしくいられる時間だなと気づいて。そこで、ダンスをもっと学びたいと思い、神奈川総合高等学校の舞台芸術科を志望しました」
Q4. これまでに印象的だった出来事を教えてください。
「高校での出会いや学びは、どれも印象的なものでした。舞台芸術科は、一期生だということもあって、みんな勢いがあるというか、パッションにあふれていて。本当にいい仲間に出会えたなって思います。そんな仲間と、表現について深く考え、体を動かした3年間は、かけがえのない時間です。
特に印象的だった出来事は、演劇との出会いです。舞台芸術科って、ダンスに興味がある人から、演劇や歌に興味がある人まで、領域の幅が広くて。演劇は未知の世界だったし、どちらかというとあまり得意なほうではないと思っていたんです。だけど、演劇での表現に触れてから、踊りについて改めて考えてみると、また違った気づきを得られる感覚があって、すごく新鮮でした」
Q5. 今後の展望は?
「コンテストなどの目標は決めていないんですが、尊敬する人と舞台をいっしょにつくりたいという思いがずっとあって。憧れているのは、猪野なごみさんとアオイヤマダさんです。
また、身体表現者として、わたしがわたしのままで踊り続けることを大切にしていきたいと思っていて。だから、まわりの意見を聞きすぎないようにしています。いまのわたしには、誰かのために踊るとか踊りで社会を変えるとか、そんな大きなことはできないと思っていて。
わたしがわたしらしく踊ることで、わたしの踊りを見てくれた誰かに、ひとつでも響くものがあったらいいなと思います」
大貫桃加のプロフィール
年齢:18歳
出身地: 神奈川県
趣味:お肉を食べること、占い
大切にしている言葉:挑戦し続ける、自分らしく
大貫桃加のSNS
この投稿をInstagramで見る
踊りに悩まされて踊りに励まされて踊りに振り回されてばっかな気がする。ゴールとかない世界だけどだからこそ踊り続けられるんだよなあ。
踊ってると身体から色んな記憶が蘇ってきて今生きてるなあって実感する。そんな瞬間を感じるのも観るのもすき pic.twitter.com/XfqrPIDEPk— ももか (@mo_mo_ka2929) January 8, 2024
Photo:Nanako Araie
Text:Ayuka Moriya