「気になる10代名鑑」の672人目は、松田蓮さん(18)。小学1年生から音楽をはじめ、これまでに200曲以上の曲を制作したほか、フェスやコンサートなどへの出演経験もあります。音楽に限らず、普段の生活や社会の暮らしを鮮やかに拡張していくために活動しているという松田さんに、現在の活動のことや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
松田蓮を知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「音楽家として、『信長蓮』という名前で作品を発表しています。音楽は、小学生のときからずっとつくり続けていて。昨年の3月には、17歳になった自分を表現して記録した『北斗十七星』という、13曲入りのフルアルバムをリリースしました。同じように今年の3月には、『朝食と音楽家』という、18歳の記録のためのアルバムをリリースしました。
活動のコンセプトは『普段の生活や社会の暮らしを鮮やかに拡張していく』こと。だから音楽活動以外にも、直接的に鮮やかな体験を提供できるような仕組みづくりにも取り組んでいます。最近だと、劇団を結成したり、会社を立ち上げたり、新しい体験をロマンで創造できるようなチームを結成しようとしています。
自分だけがもっている世界観を、音楽をはじめ、いろいろな方法でアウトプットしていけたらと思っています」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「昔から、工作をすることが大好きで。小学1年生のときにドラムを始めてから、気がついたら自分で曲を作るようになっていました。何かをつくることが面白いという意識は、ずっとありますね。
これまでに、200曲以上つくってきたんですけど、ずっと音楽をつくり続けるんだろうなと思ったのは高校生のとき。桜並木を歩いているとき、風が吹いて、桜の花びらが空を舞っているのを見たとき、空の青と桜のピンク色が光って見えて……。この言葉にできないような綺麗な光景を音楽にしなければいけないと思ったんです。あの景色はいまでも忘れられないし、創作の根源になっています」
Q3. 最近、新しく始めた挑戦は?
「高校で所属していた演劇部の同期と一緒に、劇団を立ち上げたことです。
メンバーはみんな個性豊かで、いろいろな演劇をしていて。まるで、いろんな国の料理をつくるシェフのように思えたので、ビストロみたいな劇団になればと思って、『劇調理集団 ビストロカプリチョ』と名付けました。
小さなストーリーを積み重ねたフルコース料理のような演目を、地元・新潟を拠点に上演しています。演劇特有の、リアルタイムならではの表現を模索していきたいと思っています」
この投稿をInstagramで見る
Q4. 社会に対して、こうなったらいいなと思うことはありますか?
「『なんかよくわかんないけど、おもしろい』っていう感情を大切にしていて。いわゆる第六感で『おもしろい』と知覚できるものですね。僕らが知覚できるものの中で、ちゃんと言葉にできることは少ないし、伝わらないことのほうが多い。だから誰もがもっと、言葉にできないことを大切にできたらいいなと思っています。僕が書く歌詞も、美しいと思った憧憬を、文法や論理に当てはめずに、感覚でそのままアウトプットしているんです。
もっとたくさんの人がそういう感覚をもてるように、予想外なアイディアや『おもしろい!』と感じることを、もっと直接的に体感できるような空間や体験をデザインしていこうと思っています。ゆっくりと学びながら、そんな世界につながるようなアウトプットを制作中です」
Q5. 今後の展望は?
「音楽、演劇、体験……どれにおいても、もっと第六感で『おもしろい』『美しい』といえるようなものをデザインしたいです。
いろいろな方向を向いていて、一貫性がないように思われるかもしれませんが、共通しているのは『もっと生活を鮮やかにする』という軸。それが揺らぐことはありません。
これからも音楽活動は続けていくと思いますが、社会に対してアプローチしていくためには、別の媒体が必要だし、音楽以外のことも手段にしていくことで、空間や体験などもクリエイトする包括的なものづくりをおこなっていけたらと思っています。
『松田蓮』という、自分だけがもてる世界観を脚色せずにアウトプットすることを心がけて、本能で『おもしろい』『美しい』と思ったものを、これからも創っていきたいです」
松田蓮のプロフィール
年齢:18歳
出身地:新潟県新潟市
所属:慶應義塾大学環境情報学部、 x-Music Lab. 、演劇調理集団 ビストロカプリチョ
趣味:ジャズドラム、ノープラン旅行
特技:作詞・作曲・編曲、予想外を創り出すこと
大切にしている言葉:「予想外からグルーヴは生まれる」
松田蓮のSNS
この投稿をInstagramで見る
★Spotify
Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo