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インドのココナッツ破棄問題。棄てられるココナッツを活かす日本企業のアクションをご紹介【Steenz Breaking News】

インドのココナッツ破棄問題。棄てられるココナッツを活かす日本企業のアクションをご紹介【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、インドにおけるココナッツの大量廃棄問題とその解決アクションについて、ご紹介します。

インドで起きているココナッツの大量廃棄

14億1,717万人(2022年時点)と、世界一の人口を誇るインド。近年、急速な経済成長を見せる国のひとつです。そんなインドの地には、大量のココナッツが自生していて、生産量は世界3位。産業分野でも、食材や飲料、工業原料などに幅広く活用されています。

しかし、さまざまなかたちで活用されている一方で、使用しない部分を捨てることによる環境汚染も問題になっています。たとえば、成熟前のココナッツから採れる「ココナッツウォーター」と呼ばれる果汁。日本でも、コンビニやスーパーで見かけることが増えてきました。しかしインドでは、毎日、数千リットルのココナッツウォーターが廃棄されています。それによって、水質汚染や土壌の酸性化を引き起こしており、対策が急がれているのです。

そのため近年では、こうしたココナッツ廃棄の問題を解決しようと、日本の企業が動き出しています。

ココナッツの廃棄問題を解決する新ブランドとサービスが始動

エシカル雑貨の商品企画や輸出販売などをおこなっている「エシカリージャパン合同会社」は、インドの企業「Malai Biomaterials社(以下:マライ社)」と共に、廃棄ココナッツを使用したココナッツレザーの開発に取り組んでいます。

新ブランド「never leather」を立ち上げると同時に、役目を終えたココナッツレザーを土に還すサービスも開始。取り扱うココナッツレザーには、ココナッツウォーターや麻の繊維などが使われており、レザーを染める染料もインド産の植物由来のものを採用しています。

ココナッツレザーは、刻んでコンポストにすると120日ほどで分解され、土に還ります。そのため、役目を終えた自社のココナッツレザー製品を消費者に返送してもらい、土に還すというサステナブルなサービスを実現しているのです。

また土に還す以外にも、好みの大きさに切って、コースターやしおりとして使うこともできます。返送が難しい場合は、少し手を加えてオリジナルのリメイク小物をつくってみるのも楽しいかもしれません。

さらにココナッツウォーターを使ったレザーの製造は、インドの雇用創出や環境汚染の軽減、日本でのフェアトレードとアップサイクルの認知度向上にもつながる取り組みとして、期待されています。

ココナッツを活用してインドの社会問題解決に取り組む企業はほかにも

施設園芸培土ブランド「ココカラピート」の企画・製造販売を行う「ココカラ合同会社」は、JETRO(日本貿易振興機構)と協力して、「ココピート製造」の実証実験を、2021年8月から開始しています。「ココピート」とは、ココナッツの殻を原料とした有機培養土のこと。ココナッツ殻の焼却処分による二酸化炭素の大量排出と、ココナッツ農家の貧困問題の解決をめざしています。

具体的な活動としては、農家の人々にココピートの製造方法を学べるアプリと品質管理アプリを提供しています。さらに、小型の簡易ココピート製造機を開発し、加工工場をココナッツの小規模農園の近くに建設。近隣農家の人々がココナッツの殻を持ち込み、ココピートを製造・商品化できる環境を整えたのです。

この実証実験によって、ココナッツ農家の人々は、以前より1.5~2倍の収入を得られるようになりました。焼却処分するココナッツの殻も減ったため、二酸化炭素の排出量削減にも貢献したそうです。

廃棄ココナッツを活用して良い循環を生み出そう

インドで広がる、廃棄ココナッツを活用した取り組み。有効活用できることや、新たな価値をもつ製品になることを知らないがために、処分され貧困や環境に悪影響を及ぼすという悪循環に陥ていました。このような事例を減らすためにも、今後、さらに取り組みが増えるとうれしいですね。そしてココナッツ以外にも、さまざまなものに応用されることを期待しましょう。

Reference:
インド基礎データ|外務省
旅行前に知っておきたいインドの基礎情報|JTB

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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