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将来は世界を股にかける活躍をしたい!芸術を自分の建築家像の表現手段にするため、日々鍛錬を重ねる藝大生【村上悠・19歳】

将来は世界を股にかける活躍をしたい!芸術を自分の建築家像の表現手段にするため、日々鍛錬を重ねる藝大生【村上悠・19歳】

「気になる10代名鑑」の619人目は、村上悠さん(19)。東京芸術大学の建築科で学びつつ、自身の作家性を確立するために、絵画やインスタレーションと呼ばれる、空間そのものを芸術作品として作り上げる創作にも取り組み始めています。将来は建築家として、世界を舞台に活躍したいと話す悠さんに、活動を始めたきっかけや将来の展望について、話を聞いてみました。

村上悠を知る5つの質問

Q1. いま力を入れている活動について教えてください

東京芸術大学の建築科に通っていて、やりたいこととやるべきことをすり合わせつつ、自分がつくっていて楽しいと思えるものを、どれだけ制作に反映させるかを考えています。

建築科は、美術学部の中でも、法律などのルールや、場所や敷地のポテンシャルを引き出すためのセオリーなどの縛りと、自分の創作性とのバランスを取ることが大切な学科なので、限られた条件の中で、どれだけ高いパフォーマンスを発揮できるかを考えながら制作をする必要があります。だけど僕は、たくさんの条件を、縛りとしてマイナスに捉えるのではなく、ヒントとしてポジティブに捉え直しています。

決められた領域のなかで、どのようにスマートに着地させるかを楽しんで考えることが、満足のいくアウトプットにつながると考えています」

Q2. 創作をはじめようと思ったきっかけについて教えてください

「建築に興味をもつきっかけとなったのは、小学校のころにハマっていたマインクラフトです。僕がつくった家に、友達がすごく喜んでくれたり、こだわった部分に気づいてくれたりしたことが、すごく嬉しくて……。すこし大袈裟に聞こえるかもしれないのですが、人が人生のなかでたくさんの時間を過ごす家を建てることの楽しさやロマンを、この経験から知りました。

それと、小さいころからレゴも好きで、キットを組み立てたあとは、その部品を使って、別のものを作ろうとしていたそうなので、昔から、いまの道に進む片鱗はあったのかもしれません」

 

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Q3. 創作のテーマについて教えてください

現時点でまとめるなら、『人間自体、あるいはその想像力』という言葉になります。想像というのは、人によってまったく異なるので、解釈する余地のある芸術は、人によって完成形が違います。だけど芸術家自身が、自分が想像しているものを完璧に再現しようとすると、完成形は芸術家自身の能力によって制限されてしまいます。だからこそ、人々の想像力によって、作品の未完成な部分を補わせるような芸術に、すごく憧れます。見る人ひとりひとりに、完成形が存在するって、すごいことだと思うんです。

また藝大で、絵画やインスタレーションなどにも取り組んで、アーティストとしての視点も育てることで、建築を専門にしつつ、芸術への造詣を深めたいです。建築の中に、芸術性が見てとれるような作家性を、『村上悠のアイデンティティ』として確立させたいです」

Q4. 活動の中で印象的だった出会いを教えてください

藝大のさまざまな学部学科から生徒が集まって、神輿をつくるという文化祭の企画で知り合った仲間たちです。専攻している分野によって、個性があって、その違いにすごく刺激を受けました。建築を勉強していく中で、自分の作品に対して理屈っぽい思考になっていた僕に、もっと感覚的な面も重視して創作していいんだというマインドを思い出させてくれた体験でした」

 

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Q5. 将来の展望についておしえてください

従来の建築家でなく、新しい建築家として、世界を股にかける活躍をしたいです。そのためにも、自分の作家性を表現したいので、若いうちに個展を開くことが目標です。いまは個展に向けて、いままで作った作品の改善や、新しい作品を制作しています。個展は、グループ展と違って、細かな事務作業もひとりでやらないといけないし、会場構成を相談する人もいないので、孤独だし大変ですが、自分だけで会場をつくり上げられるから、自分を表現するにはとてもいい機会なんです。

また、最近はひとり暮らしをはじめたばかりの友人から、『自宅の机をつくってほしい』という依頼を受けて、設計・制作をしています。建築とは少し違いますが、友だちがその机を囲んで喋ったり、ボードゲームをしたりする場面を想像して設計するのはとても面白いです。もっと本格的な道具をそろえて、自分の家の家具も、自分でつくりたいなと思っています」

村上悠のプロフィール

年齢:19歳
出身地:神奈川県平塚市
所属:東京芸術大学美術部建築科、第7講義室(作家ユニット)、Ground Level(各大学の建築を学ぶ1年生によって構成された団体)
趣味:映画鑑賞、散歩、スケッチ、人間観察
特技:高速まばたき
大切にしている言葉:なんとかなる

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Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi

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Kanon Yoshizumi

ライター

2004年生まれ、東京都出身。上智大学文学部在学中。麵処巡りと都内の美術館、有名建築の見学が最近の趣味。Steenzでは、2023年6月より「気になる10代名鑑」のインタビュー記事の制作に関わる。

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