「気になる10代名鑑」の600人目は、さなさん（19）。学校の先生に勧められたのをきっかけに、中学3年生のころからファッションデザイン画を描き始め、そこから毎日のように描き続けています。現在は大学でファッションコースに所属し、デザインについて学んでいるというさなさんに、創作のテーマや影響を受けた存在について、根掘り葉掘り聞いてみました。
さなを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
「毎日、ファッションデザイン画やコラージュしたイラストを描いて、Instagramに投稿しています。大学ではファッションコースを専攻していて、西洋服飾史や現代ファッションについて勉強しています。
わたしの学科は、デザインを総合的に学ぶことができるので、色彩や美術史、建築デザインや概論、プロダクトデザインに触れるような教科もあります。それぞれの授業で学んだことを、ファッションデザイン画に活かして、さまざまな観点からデザインについて考えています」
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Q2. どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか？
「ファッションデザイン画を描くときのテーマは、『自分のスキ』を追求すること。普段描いているデザイン画も、雑誌で見ていいなと思ったコーディネートや、百貨店に行ったときに見かけて素敵だなと思ったものを描いています。
わたしにとってファッションデザイン画を描く時間は、『自分のスキ』と向き合える時間なんです。つらいことがあって悩んだり、何のために生きているかわからなくなったりすることもありますが、そんなときでも自分の中で好きなことを追求し続けていたら、自分を好きになれると信じているんです」
Q3. 活動を始めたきっかけは？
「絵を描くことはずっと好きで、中学では美術部に所属していました。ファッションデザイン画を描き始めるようになったのは、先生からコンテストへの参加を勧められたのがきっかけです。自分の気持ちを相手に伝えるのが得意じゃなくて、自分らしさが何なのかわからず、何事にも自信がなかった日々を過ごしていたわたしにとって、ファッションデザイン画を描く時間は唯一無二で、特別な時間だったんです。
当時はファッションデザイン画が特に何を意味しているか、誰のために描いているのか、それを実際に形にしたいのかもわからなかったけど、日常生活を忘れさせてくれる時間だったので、どんどん描くことができて。気づけばコンテストが終わっても描き続けるのが当たり前になりました。いまはもう4年ぐらい、毎日、5パターンぐらいは描き続けています」
Q4. 自身のクリエイティブに影響を与えたものは？
「有名ブランドのファッションショーは欠かさずチェックするようにしています。雑誌だと『MODE et MODE』、『ELLEgirl』、『装苑』をよく読んでいます。あとは1日に3回ほどパリ、ミラノ、ロンドンのコレクションをチェックして、トレンドや服のディテールを自分なりに研究して、そこから着想を得て描くことが多いです。
特に影響を受けているのは、1980年代の『KENZO』のコレクションです。景気がよくて華やかだった時代独特の、ビビッドなカラーやエネルギッシュなデザインが、とても魅力的です」
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Q5. 今後の展望は？
「将来はファッションデザイナーになりたいです。いつかは自分のブランドを立ち上げたいと思っていますが、それ以上に自分の好きなことをし続けていたいし、ずっと何かを勉強し続ける姿勢を忘れないようにありたいです。
去年から洋裁の授業を受け始めて、ミシンをゼロから学んでいますが、立体制作になると戸惑う部分が多くて、まだまだだな……と実感します。SNSで同い年の服飾学生が素敵な作品をつくっているのを見るとつい羨ましくなってしまいますが、焦らず自分のペースで、いつか自分の思ったデザインを形にできるように、目の前のことから一生懸命取り組んでいきたいです」
さなのプロフィール
年齢：19歳
所属：昭和女子大学
出身地：長野県
趣味：ファッションデザイン画を描くこと
大切にしている言葉：人と違うからいい
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Photo：Eri Miura
Text：Ayuka Moriya
