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世界で広がる生理用品の無料提供。日本にはどんな取り組みがある?【Steenz Breaking News】

世界で広がる生理用品の無料提供。日本にはどんな取り組みがある?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、無償で生理用品がもらえる場所やサービスについてご紹介します。

深刻化する生理の貧困問題

生活に欠かせない生理用品ですが、経済的な理由や、知識や人間関係の不足から、入手するのがむずかしい人もおり、「生理の貧困」として社会全体で取り組まなければいけない課題として、話題に挙がることもあります。

また、金銭的な負担だけでなく、出先で急に必要になったり、体調やシーンによって買いに行くことが難しかったりと、必要なときに手元になく、困った経験をしたという人もいるのではないでしょうか。

こうした問題を解決するべく、最近では、無償で生理用品を提供する活動が広まっています。海外ではスコットランドやニュージーランド、アメリカやフランスなどでも進んでおり、最近ではカナダでも職場での提供を義務化されました。そして日本でも、一部地域ではありますが、そうした動きが広がっています。

その活動はさまざまなものがありますが、多くの場合はどんな人でも受け取れるうえ、手続きも簡単。自治体の役所や学校、公共施設、ショッピングスポットまで、さまざまなところで必要な人が受け取れるように、広がっています。困ったときのため、どんな場所でどのように受け取れるのかチェックしておきましょう。

学校・商業施設・地域など身近でもらえる場所

RED BOX

2017年にイギリスで始まった社会活動「レッドボックス(RED BOX)」。赤い箱に生理用品を詰め、学校や団体に寄付をする活動をしています。日本では2019年12月から始まり、いまでは日本全国533の学校・教育機関に、レッドボックスが導入されています。ボックスからは自由に生理用品を取り出せるため、人に言いにくいときでも使いやすいのが特徴です。

レッドボックスジャパンでは、学校はもちろん、地域団体にも寄付しており、静岡県藤枝市内では13箇所の地区交流センターに設置されました。また、長野県松本市でも、公共施設の177か所で、自由に使える生理用品が提供されています。

OiTr

「OiTr(オイテル)」は、商業施設や学校、公共施設、オフィスなどの個室トイレ内に生理用ナプキンを常備し、無料提供するサービス。2023年11月末時点では、全国25都道府県の195施設に、2590台が設置されています。

利用する際は、無料の専用アプリをダウンロードする必要があり、アプリ内画面の指示に従って、スマートフォンをディスペンサーに近づけると、生理用品を受け取ることができます。個室トイレ内の壁に掲示してあるQRコードを読み取ってアプリをダウンロードすることも可能なので、いざというときでも、スマホ1台あれば安心です。

アプリでは、現在地周辺にあるOiTr設置導入施設を探すことができるマップ機能があるため、急に生理用品が必要になった際、とても便利でdすよね。

災害用備蓄の再活用も

一部の自治体では、災害用に備蓄している生理用品を活用する動きも始まりました。実は生理用品には使用期限があり、目安は製造されてから3年程度。使われることなく破棄されてしまう生理用品を、必要な人に配布する活動は、全国で広まっています。

シャープ(SHARP)はこうした課題に対し、独自開発した「生理用ナプキンIoTディスペンサー」を使った実証実験をスタート。浜松市立高等学校など、4つの公共施設の女性用トイレ(一部多機能トイレ)の個室内にディスペンサーを設置。浜松市が備蓄する生理用ナプキンから、使用期限内に活用されない可能性があるものを、無料で提供しています。必要なときにディスペンサーのセンサー部に手をかざすだけで、生理用ナプキンを1枚ずつ取り出すことができます。

いざというときのセーフティネットとして

生理のときも、困難に陥らずに、健やかに生活をおくるのは、人間誰もがもつ権利の一部。「貧困」に限らず、誰でも気軽に、生理用品を手にいられる活動が広まっています。

こうした情報は、自分が困ったときのために知っておくことはもちろん、友達や家族とシェアして、広めるお手伝いをするのもいいかもしません。

Text:Anna Usui

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Yukiho Wakao

エディター

2001年生まれ、法政大学在学中。学内にて地域とカルチャーを軸に集まる学生団体を立ち上げ、多数の企画を実施。また、2つの会社でメディアディレクションやブランディングを修行中。それらの経験を生かし、「Steenz Breaking News」の編集サポートや新規企画を担当。

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