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ソーラーパネルを個人レンタルできる?社会課題に立ち向かうアフリカ発のソーシャルビジネス【Steenz Breaking News】

ソーラーパネルを個人レンタルできる?社会課題に立ち向かうアフリカ発のソーシャルビジネス【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカ発のソーシャルビジネスをご紹介します。

1日あたり60円で購入できるエネルギー

世界には、日常生活に必要なエネルギーへアクセスできない人が13億人いるといわれており、その4割以上の5億9千万人は、サハラ以南のアフリカに住んでいます。

アフリカには広大な土地があり、再生可能エネルギーを活用するポテンシャルがあるにもかかわらず、インフラ整備が圧倒的に不足しており、農村部では非効率かつ環境にも悪影響がある薪や灯油が、いまでも重要なエネルギー源となっています。また日給が2ドル未満の人も多いアフリカ諸国では、たとえ電気が引かれていても、電気料金を支払えない人も多いのが現状です。

そんな中、人々の生活に大きな変化をもたらしているビジネスがあります。それは、ケニアの人口の96%が使用する、モバイル決済サービス「M-Pesa」の元幹部によって設立された「M-KOPA」です。M-KOPAは、サハラ以南アフリカで銀行口座をもっていない低所得者に向けて、レンタル型の太陽光発電の製品を提供しています。

 

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その製品は、ソーラーパネル、コントロールユニット(太陽光を電力に変換するシステムの心臓部となるもの)、3つのLED電球が含まれます。携帯電話の充電もできるので、電力供給が不安定なアフリカでは、とても便利な自給自足型の太陽光発電システムです。

アフリカの人にとって魅力なのは、イニシャルコストの低さ。1年間、毎日0.43ドルを支払うだけで、製品を使えるうえ、使った分だけ料金を支払う従量課金制なので、銀行口座をもっていない低所得者でも、利用しやすい仕組みになっています。また、すべての支払いが完了すると製品は完全に購入者のものとなります。

このM-KOPAによって、低所得者も容易にサステナブルなインフラにアクセスできるようになりました。また、以前は灯油や薪を運ばなければならいため、勉強する時間がなかった子どもたちの負担軽減にもなっています。M-KOPAはインフラだけでなく、環境問題や教育や児童労働の問題の解決にも貢献しているのです。

共同創設者兼CEOは、「低所得者を慈善活動ではなく顧客として扱えば、世界を変えることができます」と述べています。

捨てるはずのアレを使ってウガンダの社会と地球に貢献を

続いて紹介するのは、東アフリカに位置するウガンダ発のソーシャルビジネスです。ウガンダでは、毎年1,650 万トン近くのバナナが生産されていますが、バナナというのは木に実を付けるイメージがありますが、実際には木ではなく、葉が重なって形成される”仮茎“にあたります。そしてバナナの実は、一度収穫したらそれ以降実ることはなく、茎を伐採しなければ次のバナナができないので、大量の茎や葉が廃棄され、その多くは埋め立て地に送られます。

この棄てられるはずのバナナの茎を使って、社会と地球に貢献しているのが、ウガンダ出身のリチャード・バエール氏が設立した「BanaPads」です。生理用ナプキンも買えないほどの貧困家庭で育ったというバエール氏。妹は月経中、学校に通えず、ナプキンを葉っぱで代用していたため、感染症にかかってしまいました。妹に何もしてやれず無力感に苛まれていたときに、そこら中に捨てられているバナナの茎を見て、生理用ナプキンを作ることを思いついたそうです。

バナナの水分量は74%と、優れた吸水特性を持っています。この特性を利用して、低コストの使い捨て生理用ナプキン「Bana Pads」の開発を行いました。使用済みの生理用ナプキンは収集して肥料として再利用されるため、埋め立て地に送られる廃棄物の削減にも貢献しています。

2010年にウガンダの小さな村で販売を開始し、2018 年までに顧客は25,000 人に拡大。年間少なくとも500万個の商品を配布しています。ウガンダでは、生理用品の不足から、13~18歳の女子の20%が、生理中に少なくとも1日は学校を欠席していましたが、Bana Padsの普及によって、多くの女子生徒が月経中も学校に通えるようになったそう。また、地元の女性を雇うことで、雇用の創出にも貢献しています。

 

期待が高まるアフリカのソーシャルビジネス

近年、世界中で企業による社会課題解決に向けた取り組みが広がっていますが、今回はアフリカならではの問題を解決するソーシャルビジネスを紹介しました。より多くのソーシャルビジネスが生まれることで、さまざまな社会課題が解決され、経済発展していくことを期待したいですね。

Reference:
2017年版開発協力白書 日本の国際協力
Triodos Investment Management「M-KOPA Solar」
VOA「’What Can We Do?’: Millions in African Countries Need Power」
URBANET 「How M-Pesa is changing everyday life in Kenya」
M-KOPA「About | M-KOPA」
GSMA「M-KOPA: Applying the pay-as-you-go model to smartphones in Africa」
SEED「BanaPads」
SAGA「10 of the most hydrating foods」
The Tony Elumelu Foundation「BanaPads is making menstruation management affordable and convenient for women」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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