Teen's Snapshots

リアルに感じたことを作品に。素直に出力することをモットーに、創作活動と向き合う美大生【Shuta Tsukamoto・19歳】

リアルに感じたことを作品に。素直に出力することをモットーに、創作活動と向き合う美大生【Shuta Tsukamoto・19歳】

気になる10代名鑑」の591人目は、Shuta Tsukamotoさん(19)。高校時代のカナダ留学を経て、現在は武蔵野美術大学で彫刻を専攻しています。「都市で生活する中で感じた気づきや違和感と、素直に向き合っていきたい」と話すShutaさんに、創作活動を始めたきっかけや影響を受けた存在や実現させたいビジョンまで、根掘り葉掘り聞いてみました。

Shuta Tsukamotoを知る5つの質問

Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。

武蔵野美術大学に通っていて、彫刻学科に所属しています。いまは、僕自身が納得できて、かっこいいと思える作品をつくることが目標。空想の世界じゃなくて、リアルに目で見て感じたことを作品に落とし込みたいと思っていて。だから、日常の生活の中での気づきやふとしたときに感じた違和感をインスピレーション源にして、創作活動に向き合っています

Q2. どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか?

ハッキリと定まってはないのですが、“都市と既製品の人間らしさ”みたいなものをテーマにしていきたいと考えています。

具体的には、都市に佇むビル群や、そこで住んでいる人間に興味があって。茨城県出身の僕からすると、東京の街って、すごく都会なんですよ。ビルがたくさんあって、どれもすごい高さで。そこには都市ならではの息づかいもあるし、怖さもあるように感じます。昔の人たちが自然に感じていた畏怖の念を、僕は同じように都市に抱いているので、そういったものを作品で表現していきたいと思っています

Q3. 活動を始めたきっかけは?

高校1年生のときのカナダ留学がきっかけです。当時出会ったクラスメートたちが、すごく素直にアウトプットしていて。そんな姿に影響を受けました。学校に『スター・ウォーズ』のストームトルーパーのヘルメットをかぶって来る人がいて。授業受けに来ているのに、まったく関係ないし、趣味全開じゃん、みたいなことがよくあって。

あとは、アートの授業のときに、得意なわけではないけど、とりあえずなんでも形にする子もいて。正直言うと、別にうまいわけではないんですよ。でも本人はめっちゃ自信があって、それがいいと思っている。その姿が、すごくかっこよかったんですよね。なんか、それぐらいでいいんだなって、心が少し軽くなったというか。

そこから僕も、とりあえず何かやってみたいと思って、いろいろなことに挑戦してみました。ラップのリリックを書いてみたり、絵を描いてみたり。ものづくりをする時間は楽しかったですが、同時に自分の無知にも気づかされて、まずは美大でいろいろ学びたいと思うようになりました

Q4. 自身のクリエイティブに影響を与えた人物はいますか?

「いろんな芸術家やアーティストに影響を受けていますが、いちばん強く影響を受けたのは、ラッパーのTohjiです。ちょうどカナダに留学する前ぐらいに、ABEMAの『ラップスタア誕生!』で知りました。ファッションも発する言葉も全部がかっこよくて、憧れの存在です。僕がいまの大学をめざしたのも、Tohjiが武蔵美出身だからだったりします」

Q5. 創作活動を通して実現させたい未来やビジョンがあれば、教えてください。

音楽のように、美術がもっと手軽で、身近に開かれた存在になってほしいです。美術ってアカデミック至上主義みたいな雰囲気があるけど、それが少しでも払拭されたらいいなって思っています。もちろん、排他的で閉鎖的であるからこその良さもあるけど、いい意味でもっと適当でいいんじゃないかなって。この音楽が好きだな、くらいの感覚で、この絵画いいな、この彫刻いいな、って言えたらいいですよね。そこから、ここの筆使いが良いよね、とか、ここの空間が気持ちよくて……みたいに議論が発展していくのが、僕の理想です。

とはいえ、美術が安易に消費されるものでないこともわかっています。だからこそ僕がつくっていくものにも責任があると思うので、これからも素直に創作活動に向き合っていきたいです」

Shuta Tsukamotoのプロフィール

年齢:19歳
所属:武蔵野美術大学 彫刻学科
出身地:茨城県
趣味:音楽鑑賞、野球観戦

Shuta TsukamotoのSNS

★Instagram

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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