Steenz Breaking News

いま注目したい!ケニア発のテクノロジー×ソーシャルGOODな取り組み【Steenz Breaking News】

いま注目したい!ケニア発のテクノロジー×ソーシャルGOODな取り組み【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、社会問題解決のために行われている、アフリカ発の取り組みについて、ご紹介します。

腹が減っては勉強はできぬ。子どもの食糧問題に取り組むNPO

2020年から続く、アフリカ東部での深刻な干ばつ。気候変動の影響とされており、ここ40年で最悪の食糧危機に直面しています。東アフリカ市場への入口として、多くの企業が進出しているケニアでも、干ばつと貧困の二重の影響により、約4分の1の子どもが栄養不足に苦しんでいるのです。

そんな中、ケニアのNPO「Food for Education(以下、F4E)は、テクノロジーを駆使して、多くの子どもに給食を提供しています。F4Eは、「お腹を空かせたまま勉強しなきゃいけない子どもなんて誰もいない」という信念のもと、栄養学を学んでいた大学生のWawira Njiruによって設立されました(2012年当時)。

元々は25人分の給食をつくることから始まったこの事業ですが、現在はナイロビに大規模キッチンを構え、ナイロビの州立学校に通う子どもたちの4分の1に給食を提供しています。

 

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急速な事業拡大の秘訣となっているのが、「Tap2Eat」という、給食費の支払いシステムです。「M-Pesa」というケニアの人口の96%が使用するオンライン送金システムを導入することで、給食費の支払いの簡易化に成功しました。州政府が一回の給食につき約24円を負担しているため、保護者が支払わなければないのは5円と、安価で済みます。

子どもたちには「Tap2Eatリストバンド」が配布され、支払い履歴や提供された食事の数などを確認できます。このリストバンドによって、F4Eは事業の効率化が可能となり、また保護者としても、子どもがきちんと学校に行っているかを確認できるのです。

 

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アフリカでは、教育の重要性についての理解の乏しさや、貧困などによって、子どもを学校に通わせない家庭もあります。しかし、F4Eの提携校では、給食制度が充実していることによって、就学率が30%から40%に改善したそうです。F4Eは、ほかにも現地の農家から直接仕入れた食材を使ったり、約2000人の雇用を生み出していたりと、地元の経済発展にも貢献しています。

 

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サプライチェーン改革で農家と小売業者に変化を

農業に大きく依存するアフリカ経済。アフリカ開発銀行によると、アフリカ全体の労働者の半分以上が、農業セクターで働いてます。しかし農業は、肥料価格の変動や人口増加、干ばつや洪水に大きく影響され、安定的な収入を得るのが困難です。大多数の小規模農家は、貧困ライン以下(1日あたり2ドル未満)で生活しており、そのうちの多くが、土地を所有するのが難しく、市場や融資へのアクセスにおいて不利な状況にある女性たちです。

日本をはじめ、多くの国でAIなどの最新テクノロジーを使って農業を効率化する動きが進んでいますが、アフリカの多くの国では、そうした効率化にまで到達していないのが現状です。

 

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そんな中、テクノロジーの力で農業の効率化に成功しているのが、ケニアのアグリテック企業「Twiga Foods」です。同社は、オンラインのB2B食品供給プラットフォーム、Soko Yetu (Our Marketという意味)を立ち上げ、農作物を直接、都市部の小売業者に届けています。以前は、商品が農家から小売業者に渡るまで多くの仲介業者を通していましたが、この「Soko Yetu」によって、仲介業者を入れる必要がなくなり、効率的なサプライチェーンの構築に成功しました。

同社は25か所の集荷センターを所有し、小売業者が商品の購入後、24 時間以内に商品が配達されるようにしています。小売業者としても、新鮮な商品を従来の卸売市場よりも最大10〜15%ほど安い値段で購入できるようになり、農家も多くの小売業者と迅速に取引ができるため、収入の安定化にもつながりました。

 

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現在では、契約小売店は13万を超え、多くの農家と小売業者が恩恵を受けています。その結果、米・TIME誌の「2022年の最も影響力のある企業100社」にノミネートされました。

企業、NPO、政府…求められる連携

今回は、社会問題が複雑に絡み合うアフリカの地で躍動している、ソーシャルグットな取り組みを紹介しました。社会問題というのは、政府の力だけ解決するのは困難。NPOや企業の力が必要になります。今後もこうした社会課題解決を掲げ、ビジネスとして成立させる企業やNPOが増え、またそれを政府がしっかりとサポートすることで、問題が解決されていくことに期待したいですね。

Reference:
British Red Cross 「Africa food crisis: more than 160 million people are going hungry
The Guardian 「Kenya to launch biggest school meals programme in Africa
United Nations「Losing 25,000 to Hunger Every Day」
Food 4 Education「Feeding The Future」
URBANET「How M-Pesa is changing everyday life in Kenya」
AFDB「Annual Development Effectiveness Review 2021」
Twiga Foods「START-UPS AND MOBILE IN EMERGING MARKETS: INSIGHTS FROM THE GSMA ECOSYSTEM ACCELERATOR」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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