世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、海洋ごみ問題などの観点から期待が集まっている、発泡スチロールに替わる新素材についてご紹介します。
保冷バッグや食品トレイなど…幅広く使われる発泡スチロール
発泡スチロールは、保冷用のボックスや、お肉やお魚が乗せられた食品トレイなど、日常生活の中でもよく見かける、身近な素材。食品以外でも、断熱材につかわれたり、緩衝材として、電化製品などを購入したときに、同梱されていますよね。
この発泡スチロールを捨てるとき、一部の地域では可燃ゴミとして回収されますが、多くの場合は「容器包装プラスチック」に分別され、リサイクルされます。しかし発泡スチロールは軽く、破片などが飛び散りやすいので、風に飛ばされて海や川に流れ出ることも少なくありません。
また日本では、このようにリサイクルされたり焼却処分されたりすることが多い一方、海外では埋め立て処分が多く、発泡スチロールは生分解性でないため、埋められても半永久的に残り続けてしまいます。
発泡スチロールの代替はココナッツやエビの殻、そしてポップコーン?!
便利ではあるものの、環境汚染の一因となっている発泡スチロール。海外では、その代替品として、さまざまな素材が開発されています。
フィリピンで開発されたのは、ココナッツの殻を使った保冷ボックス「ナットシェルクーラー」。フィリピンはココナッツオイル産業が盛んで、その副産物として、大量のココナッツの殻が出てしまいます。販売元の企業「Fortuna Cools(フォルトゥーナ・クールズ)」は、フィリピンの小規模農家から殻を調達。これまでに60万個のココナッツの殻から保冷バッグを製造しています。
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またアメリカでは、エビの殻が、発泡スチロールの代替品として注目を集めています。カリフォルニアに拠点を置く企業「Cruz Foam(クルーズ・フォーム)」は、エビの殻などに含まれる成分から発泡スチロールの代替となる素材を開発。保冷バッグは段ボールとエビ由来の容器で作られるため、リサイクルが可能で、素材の部分は堆肥化できます。
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さらに、2021年にドイツのchitinが開発を発表した素材の原料は、なんとポップコーン! 加工されて、梱包容器として使用されます。原料のコーンは、コーンフレークの生産過程で使用されなかったものが使われているのだそう。
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次はどんな素材が登場する?
ビニール袋やストロー、そして発泡スチロール。近年、これまでプラスチックでつくられていた、さまざまなものの代替品が生まれています。
もちろん、こうした代替品によってプラスチックへの依存度が低くなるのはいいことですが、さらに効果があるのは、そもそもの使用頻度を抑えること。代替品であっても、貴重な地球の資源を使用しているのは同じです。そうったことにも意識を配りながら、どんな素材が生まれてくるのか、楽しみにしていきたいですね。
Text:Tommy