Steenz Breaking News

資源をめぐらせ、新たなときを刻む。捨てられたおもちゃのアップサイクルで生まれたアイテムたち【Steenz Breaking News】

資源をめぐらせ、新たなときを刻む。捨てられたおもちゃのアップサイクルで生まれたアイテムたち【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、廃棄予定のおもちゃに新たに命を吹き込み、生まれ変わらせたアイテムについてご紹介します。

日本では年間6万トンものおもちゃが捨てられている

子どものころに、お気に入りだったおもちゃはありますか? ぬいぐるみやミニカーなど、飽きるまで繰り返し遊び、どこへ行くにも一緒で相棒のような存在だったおもちゃ。しかし成長するにつれて、遊ぶ機会が減ったり、新しいおもちゃに夢中になったりと、さまざまな理由で使わなくなって、手放すこともたくさんあったでしょう。

おもちゃのサブスク・レンタルサービスを運営する株式会社トラーナが、京都府の調査データをもとに算出した日本のおもちゃ廃棄量は、年間約6万トンにものぼります。そして、1年間に処分したおもちゃの数を調べると、半数以上の人が1個以上と答え、そのうち62%は廃棄しているという結果に。

おもちゃの廃棄量が増えると、環境への負荷が大きくなります。とはいえ、使わないおもちゃを保管し続けるにも限界があります。このように、さまざまな問題を抱えるおもちゃの処分方法ですが、近年、こうした問題を解決し、素敵なアイテムに生まれ変わらせる動きが活発化しています。

回収されたおもちゃから生まれた腕時計「YOT WATCH」

株式会社三栄コーポレーションのブランド「YOT WATCH」は、幼児向けプラスチックおもちゃの壊れやすいところや、流行と飽きによる製品寿命の短さから起こる問題に注目して生まれた腕時計です。プラスチック製のおもちゃをリサイクルし、プラスチックのもととなる「樹脂」を生成。その樹脂を原料につくられています。

「YOT WATCH」は、6色展開のKids用と、7色展開の32mm、10色展開の40mmがあり、子どもから大人まで、幅広く使えます。そのため、子どものファーストウォッチはもちろん、親子や家族、カップル、友人などとおそろいで使うのもおすすめです。

また、別売りのカラーベルトを組み合わせることによって、服装や気分に合わせて使い分けることもできます。カスタム可能なところやカラフルなデザイン展開などが評価され、2023年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

ベルギーではおもちゃをキッズ用インテリアに

おもちゃの再利用は世界でも行われています。

ベルギーにある「ecoBirdy」は、捨てられたプラスチック製のおもちゃをリサイクルし、使いやすくカラフルな子ども用家具を製造している企業です。原材料となるプラスチック製おもちゃのリサイクルから、家具の設計、生産まで、すべてヨーロッパで行っています。

 

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家具は、100%リサイクルプラスチックでできた素材を使い、子どもの体や行動を考慮した設計になっているそう。雨をはじいてくれる素材のため、屋外でも使えます。全体的に丸みを帯びたデザインや淡い色合いから、柔らかくかわいらしい印象を受けますね。ただリサイクル素材を活用するのではなく、デザイン性や機能性の高い製品であるところが、人気の理由でしょう。

環境に優しいおもちゃとの関わり方

安価で加工のしやすいプラスチックは、さまざまなおもちゃの材料として利用されています。しかし、大量に製造・購入されることにより、廃棄される量も増えてしまうのは、おもちゃの宿命ともいえる問題です。今回ご紹介した「YOT WATCH」や「ecoBirdy」のように、捨てられてしまうおもちゃに、新たに命を吹き込む取り組みが、さらに広がっていくといいですね。また個人としても、捨てる前に、誰かに譲ったりフリマアプリを活用したりできないか、一度考えてみるとよいかもしれません。

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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