Steenz Breaking News

環境保護と地域振興を同時に叶える!世界中で注目される「ナイトタイムエコノミー」とは【Steenz Breaking News】

環境保護と地域振興を同時に叶える!世界中で注目される「ナイトタイムエコノミー」とは【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、オーバーツーリズム対策のひとつとして注目されている「ナイトタイムエコノミー」についてご紹介します。

星野リゾート西表島ホテルが「ナイトタイムエコノミー」推進へ

2021年7月に、世界自然遺産に登録されたことで知られる西表島。島の90%を亜熱帯性の植物が覆い、海には黒潮の恩恵を受けた美しいサンゴ礁が広がっています。そのため西表島では、自然を生かした観光業に力を入れてきました。

しかし近年は、世界自然遺産に登録されたこともあり、島を訪れる観光客も増加。それに伴い、ごみのポイ捨てや、国指定の特別天然記念物であるイリオモテヤマネコの交通事故など、生態系と島民に影響を及ぼす、オーバーツーリズム(観光被害)の問題が浮上しています。

こうした問題に対処するために、西表島ではさまざまな取り組みが行われています。そのうちのひとつが、島内に建設された「星野リゾート 西表島ホテル(以下:西表島ホテル)」による「ナイトタイムエコノミーの推進」です。

ナイトタイムエコノミーとは

西表島ホテルが推進する「ナイトタイムエコノミー」とは、18時ごろから翌朝の6時ごろまでに行う経済活動のこと。地域の魅力や特性を生かし、夜間も楽しめる施設や体験を増やすことによって、経済効果の向上をめざす取り組みです。

日中、人気のある観光地への集中を防げるため、オーバーツーリズムの解決にもつながると期待されています。

西表島ホテルでは、地域特有の魅力や歴史文化、自然環境などを観光客に伝え保全につなげる、日本初の「エコツーリズムリゾート」をめざしており、その取り組みの一環として、多種多様なナイトタイムエコノミーに関するプランを提供しています。

例えば、ボードの上に立ち、パドルを漕いで海面を進むアクティビティ「SUP(サップ)」を楽しめる「夕凪 SLOW SUP」。マングローブが広がる雄大な自然と美しい夕日を堪能しながら、ゆったりとした時間を過ごせます。人気観光地というのは、せっかくリラックスしたいのに、人が多くて逆にストレスが溜まる……そんな状況を避けながら、その土地の良さを体感できる。これこそ、ナイトタイムエコノミーのメリットと言えるでしょう。

世界のナイトタイムエコノミー推進に向けた取り組み

ナイトタイムエコノミーのユニークな取り組みは、日本だけでなく、世界各地でも広がっています。

シンガポールでは、世界初となる、夜間にだけ開園する「夜行性動物の動物園」が、1994年にオープン。園内では、2,500頭以上もの野生動物が飼育されています。昼間は見ることのできない、動物たちの活発に動く姿や野生に近い姿を観察できるため、来園者が絶えないそうです。

オランダのアムステルダムには、22時まで見学できる博物館「Anne Frank House」があります。市内の中心部という好立地な場所にあり、音声ツアーも、英語やオランダ語、フランス語、日本語など全9か国に対応。アンネ・フランクや彼女が辿ってきた歴史について知るために、世界中からたくさんの人が訪れます。混在しそうな時間を避けられるのは、とてもありがたいですよね。

経済活動の向上やオーバーツーリズムの対策として、注目されているナイトタイムエコノミー。夜間の経済活動に関する取り組みですが、時間帯によっては10代も利用できる施設や体験もあるので、機会があれば利用してみてくださいね。

Text:Yuki Tsuruda

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

View More