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芸術は不要不急のものじゃなくて社会を変えるツール!自由を音楽で体現するギタリスト【小野凪・19歳】

芸術は不要不急のものじゃなくて社会を変えるツール!自由を音楽で体現するギタリスト【小野凪・19歳】

「気になる10代名鑑」の513人目は、小野凪さん(19)。小さいときから家族の影響で芸術を好きになり、いまはギターをメインに、音楽の創作にのめり込んでいます。ミュージシャンとして成功する未来に向かいつつ、芸術が社会問題に対してアクションする手段になってほしいというビジョンを語る小野さんに、自分を構成する要素や将来の展望について詳しく聞いてみました。

小野凪を知る5つの質問

Q1. 現在行っている活動について教えてください

ギタリストとして、バンド活動をしたり、音楽をつくったりしています。バンドとしては、『###(The)Hash』というバンドでギターを弾いていて、作詞作曲もしています。それとは別に、『Hands on moon』というアートグループに所属していて、映画の劇中歌を作ったりもしています。

個人的に『ビートルズ』や『オアシス』といった、昔のイギリスのバンドが好きで。彼らの曲のように、唯一無二の個性がありつつ、大衆に受け入れられるキャッチーさをもった音楽をつくりたいですね。だからこそ、いまの流行もちゃんと意識して、自分の作品の世界観に合うものを探したり、世の中の需要と自分が作りたいものがちょうど交わるポイントを見つけることを意識して、創作をしています」

 

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Q2. 活動をはじめたきっかけを教えてください

「家族が芸術好きだったことが大きいと思います。祖父が画家で、父も映像系の仕事をしていたり、母もよくミニシアターに足を運んだりするような家族で、とにかく芸術が身近な存在だったんです。そんな環境で育ったので、自分も芸術が好きになりました。

幼馴染に偶然、同じように芸術が好きな子たちがいて。その子たちの声をかけてはじめたのが、アートグループの『Hands on moon』です。

また、ギターの演奏は小学5年生くらいのときに『GLIM SPANKY』というバンドの曲を聴き、かっこよさに打ちのめされたのをきっかけにはじめました。いつまで続くかわからないと思って、5000円くらいのものを買ったのですが、これまでずっと夢中ですね(笑)。『###(The)Hash』は、高校の文化祭で歌っていた後輩をスカウトしたり、メンバーに自作の曲を半ば押し付けるように声をかけたりして結成されたバンドです」

Q3. 社会に対して「こうなってほしい」というビジョンはありますか?

表現者が生きやすい世の中になってほしいです。コロナ渦のときに、ライブハウスが全面的に閉鎖され、ライブがすごく制限されて。音楽を含む芸術は“不要不急だ”と言われているような風潮を感じました。

だけど、生活の糧を芸術活動から得ている人もいるので、アーティストからすれば、決して“不要不急のこと”じゃない。『芸術は娯楽にすぎない』と思っている人もいるようですが、芸術は人類が持つ大切なものだということに、もっと多くの人に気づいてもらって、コロナ渦のときのように表現者が肩身の狭い思いをするようなことがなくなってほしいです

 

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Q4. 興味があるものはありますか?

『ポスト資本主義』です。これは、高校の授業でいろいろな論文を読んでいるときに出会った考え方です。

僕も資本主義の競争のなかで生まれたギターを使って活動しているし、アンチ資本主義という立場ではないんです。だけど、会社の経営状態を改善するために、リストラをして失業者を出したり、困窮している人たちに対して『自己責任だ』という言葉を投げかけたりするのは、資本主義の殺伐とした悪いところだなと感じていて。そこを改善したポスト資本主義の実現に、人の心を動かせるアートが役立たないかな、と考えています

Q5. 将来の展望について教えてください

「自分たちのメッセージをより多くの人に届けるために、『###(The)Hash』でも『Hands on moon』でも、まずは知名度を獲得したいです。

創作面では、ハイテンションに盛り上がって憂鬱な気持ちを吹き飛ばすのとは違った、諦めたり強がったりする人の弱さを認めてあげられるような、メッセージを持った曲を作りたいと考えています。

そして、僕たちのように創作活動をやっている人たちにも、もっと創作は自由でいいんだと伝えたいです。恋愛や友情などをテーマにしたアートもいいと思うし、僕もそうしたテーマで曲をつくるのですが、それだけじゃなくて、政治や社会に対して思うことがあったら、そのことも表現してもいいと思うんです。社会問題に対してのアクションのツールとして芸術がもっと強固な地位を確立してほしい。そういう気持ちがあるので、『Hands on moon』では、貧困や孤独などの社会問題に対してアクションできる作品づくりにも取り組みたいと思っています

 

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小野凪のプロフィール

年齢:19歳
出身地:島根県生まれ東京育ち
所属:Hands on moon、###(The)Hash
趣味:歴史探訪・有名人のお墓めぐり
特技:ギター
大切にしている言葉:死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。(吉田松陰)

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Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi

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Kanon Yoshizumi

ライター

2004年生まれ、東京都出身。上智大学文学部在学中。麵処巡りと都内の美術館、有名建築の見学が最近の趣味。Steenzでは、2023年6月より「気になる10代名鑑」のインタビュー記事の制作に関わる。

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