「気になる10代名鑑」の521人目は、川﨑万緒さん(19)。地元・新潟県から上京して文化服装学院に通い、クラスメイトとブランドを立ち上げながら、サステナブルなアパレルのあり方を考えています。服を通して、誰かに笑顔や希望を届けたいと話す川﨑さんの、服づくりとの出会いや創作活動の思いに迫ります。
川﨑万緒を知る5つの質問
Q1. いま、どんなことに力を入れていますか?
「文化服装学院に通っていて、インダストリアルマーチャンダイジングを専攻しています。この学科では、企業とのコラボレーションを通して、企画・制作のフローを実践的に学んでいます。いまも授業の一環でクラスメイトといっしょに、広島県・尾道デニムプロジェクトの企画として、『O』というブランドを立ち上げました。わたしは主にInstagramでの発信を担当しています。
また、個人的にはアパレル産業のサステナブルとはいえない労働、環境問題に疑問を抱いていて、環境問題に関するボランティア活動をしている団体に入ったりゴミ拾いなどに参加したりと、社会問題の解決にも興味を持っています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「思春期のとき、自分の顔に強くコンプレックスを感じて……。AKB48やTWICEなどアイドルをよく見ていたんですけど、つい彼女たちと自分の容姿を比べてしまって。もともと自己肯定感が高いタイプではないけど、かわいい女の子が好きだったからこそ、余計に苦しい思いを感じてしまいました。
でも、容姿に自信がなくても、かわいい洋服を着れば、気持ちがハッピーになる。だからかわいい洋服を届けて、自分と同じように、コンプレックスを感じている人をファッションの力で救うことができればと思ったんです。
進学先に文化服装学院を選んだのは、日本でいちばんネームバリューと歴史のある服飾学校だったから。ここだったら自分の夢を叶えられるかもしれないと感じて、インダストリアルマーチャンダイジング科を専攻しました」
Q3. 活動するうえで、大切にしていることを教えてください。
「誰かに対してポジティブな気持ちを与えられるような、自信をつけもらえるような服をつくることです。かわいい服を通じて、自分の気持ちを晴れやかにできるという原体験がわたしにはあるので、その思いだけは常に忘れないようにしています。
ただ自己満足の作品として服づくりを終わらせるのではなく、どうしたら多くの人に届けられるか。そこまで考える必要があることを授業で学びました。なので最近は、いまの時代の潮流を汲み取ることも意識するようになりました」
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Q4. クリエイティブに影響を与えたものを教えてください。
「基本的にかわいいものがとても好きで、アイドルやパール、リボンなどの雑貨、動物が大好きです。
いいなと思ったアイテムは、すべて写真に撮って、ノートに描き写しています。雑誌も昔からよく読んでます。もし、いちばん影響を受けたものを挙げるとするならば、クロード・モネの作品ですね。とても好きなので、影響を受けていると思います」
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Q5. 活動を通して実現させたい未来やビジョンがあれば、教えてください。
「ファッションを通して、笑顔や希望を届けていきたいです。そのために、いまのアパレル産業の構造の中で、悲しい思いをしている人や不利益を被る人がいる現状を、なんとかして変えたいと思っています。いま、学校のプロジェクトでやっている尾道デニム『O』も、SDGsに根ざしているもので、その活動のひとつなんです。
文化を卒業したら、まずはサステナビリティを軸にブランドを展開しているアパレル企業に入って、経験を積んでいきたいです。そして、いずれは自分のブランドを立ち上げて、着ることでサステナブルでポジティブな気持ちになれるファッションを実現させたいです」
川﨑万緒のプロフィール
年齢:19歳
所属:文化服装学院
出身地:新潟県新潟市
趣味:服を見ること、服を作ること、絵を描くこと
大切にしている言葉:人生は一度きり
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya