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カンボジアで日本の作業服がファッションアイテムに。自立支援や衣服ロス量の削減にも【Steenz Breaking News】

カンボジアで日本の作業服がファッションアイテムに。自立支援や衣服ロス量の削減にも【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、古着を寄付することによって、衣服ロス量の削減や自立支援につながる「古着deワクチン まごころプロジェクト」についてご紹介します。

カンボジアで日本の作業服がファッションアイテムに

インドシナ半島に位置するカンボジアで、日本の作業服がファッションアイテムとして注目されています。そのきっかけとなったのが、リユース業を中心にさまざまなソーシャルビジネスを展開する、日本リユースシステム株式会社の「古着deワクチン」というサービスです。

「古着deワクチン」は、いらなくなった衣類等を手放すことで誰かの役に立ち、世界の子どもたちにワクチンを届けるという取り組み。

家庭にある着なくなった衣類を専用の回収キットに入れ送ることによって、衣類を手放せるだけでなく、同時にポリオワクチンの寄付も行えます。ポリオ(急性灰白髄炎)は別名「脊髄性小児麻痺」とも呼ばれており、5歳以下の子どもがかかりやすく、手足の筋肉や呼吸する時に使う筋肉が麻痺したり後遺症が残ったりする病気です。また、成人後に感染すると死亡率が高くなるともいわれています。

「古着deワクチン」では、回収キット(通常サイズ版)を1口購入するごとに、5人分のワクチンが寄付できます。そして、今回のカンボジアの作業着ブームに関係しているのが、その企業版である「古着deワクチン まごころプロジェクト」です。

衣服ロス量の削減や自立支援につながる「古着deワクチン まごころプロジェクト」

「古着deワクチン まごころプロジェクト」は、システムは「古着deワクチン」と同じく、不要になった衣類を専用の回収キットに集め送ると、選択したプランに応じて、世界の子どもたちにポリオワクチンを寄付できる仕組みです。そうして集められた衣類が、カンボジアを中心に、世界中で再利用されているのです。

とくにカンボジアにある直営センターでは、ポリオ障がいに悩む人やストリートチルドレンであった若者が中心となって働いているため、自立支援にもつながっています。

実際に、直営センターで働くポリオ障がいをもつ従業員の方は、社会とつながりをもてたことや、自分が働いて得たお金で生活できるという当たり前のことが何よりも嬉しい、と話しているそうです。

衣服ロスの削減と自立支援を同時に行える「古着deワクチン まごころプロジェクト」は、明治ホールディングス株式会社やヤマト運輸株式会社、三井不動産株式会社などといった大手企業でも実施しており、企業のSDGs貢献促進の流れから、今後もさらに増えていくでしょう。

そして、企業から送られてくる衣類として多いものが、デザインリニューアルや安全対策規定により入れ替えることになった「まだ着用できる作業服」。それが、カンボジアでさまざまな需要を生み出しています。

なぜ日本の作業服が注目されているの?

まず、注目されている理由として挙げられるのが「品質の高さ」です。日本の作業服は、丈夫で破れにくい素材に加え、安全性が高いところが特徴です。そのため、過酷な現場で作業を行うカンボジアの労働者や、森林保護、動物愛護、地雷撤去などに従事するカンボジアの人々からも高い評価を得ているそう。

また、こうした作業服が、ファッションアイテムとしても選ばれています。カンボジアで知名度の高いモデルを採用し、多様な作業服の着用スタイルを提案したところ、大きな反響がありました。色やデザインが豊富なこと、動きやすさのための少しルーズなサイズ感も、現地の若者に好まれているようです。

日本では作業服のファッション性はあまり重視されませんが、ファッションのひとつとして受け入れられ、多様な着方をされているというのは、とても興味深いですね。

寄付できるからといって大量消費はNG

古着の寄付をベースとした事業は、これからも増えていくでしょう。しかし、古着の寄付には大きな問題があり、寄付が大量になって処理できず、違法に廃棄されてしまうケースにつながることも。そうして違法に廃棄された古着は、環境汚染や火災など自然災害の原因になります。

環境や自立支援のために行った寄付が、逆に悪影響を及ぼすことだけは避けなければいけません。そうならないためにも、わたしたちは、古着を適正に管理しながら事業を行っているかどうかをしっかり見極める必要があります。また、いくら寄付ができるからといって、あまり着ない服を買ったり、短いサイクルで消費していくことは、やはり環境負荷が大きいので、控えなければいけません。こうした服のリサイクルを知ることで、「服を長く大切に着る」という意識を持つことも大切です。

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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