「気になる10代名鑑」の496人目は、橋本華名さん(19)。難民支援活動やメンタルヘルスウェアネス、子どもの権利の尊重を促進するための活動など、幅広い社会運動を行っています。社会運動を身近に感じてもらうためにYouTubeも始めたという華名さんに、活動を始めたきっかけや、活動に影響を与えた人などについて、話を聞いてみました。
橋本華名を知る5つの質問
Q1. 現在行っている活動について教えてください。
「難民支援とメンタルヘルスウェアネス、子どもの権利の尊重を促進するための活動をしています。
特に難民支援活動では、上智大学生を主体とした『SRSG(Sophia Refugee Support Group)』というボランティア団体で 、難民支援部の学校訪問リーダーを務めて、依頼のあった学校に行って難民問題について解説したり、実際に話し合いをしたりすることで正しい知識を広げ、偏見や差別を無くす活動をしています。
他にも、高校生仮放免奨学金プロジェクトという、難民のビザを渡されず、仮放免というかたちで社会に出されて、生活保護を受ける権利も就労する権利もない人の子どもたちのメンタルサポートを行う活動もしています」
Q2. 活動を始めたきっかけを教えてください。
「小さいころから父の仕事でアメリカや香港の学校を転々としてきて、6回も転校を経験したんです。中学校では日本人がひとりだけだったのもあって、友だちも全然できず、心が折れかけたこともありました。相手に悪気がなくても、“日本人”とか“アジア人”といったステレオタイプに当てはめようとする態度に、傷ついたことも……。そうした“マイノリティ”としての経験が、苦しい思いや心細い思いをする人たちを減らしたいという、現在の活動のきっかけになりました。
最近では、まだまだ日本では難民問題や社会運動が身近ではないように感じたので、YouTubeの投稿も始めたんです。上智大生のvlogとして、動画の中で活動を様子を紹介することで、社会活動への参加のハードルを下げてもらいたいなと思っています」
Q3. 課題に対するファーストアクションは?
「実際に現場に行ってみて、自分の目と体を使って学びをつかみに行くことですね。
子どもの権利の尊重を促進するための活動に関わるときも、ちょっとだけ本を読みましたが、そこからすぐに学童保育でアルバイトをしました。そこの学童保育では、発達障害をもっている子どもへの、先生たちの当たりが強くて。子どもたちもその子をいじめることが悪いことだと気づいていなかったんです。その経験から、発達障害を持つ子どもたちの人権の尊重も重要な課題だと気づき、解決策を探るため、発達障害を持つ子供たちの専門塾でも働いてみました。
実際に現場に入ってみることで、体験してみないとわからない課題点を見つけることができる。それを自分の活動に活かすことができるんです」
Q4. 自分の活動に影響を与えた人はいますか?
「家族です。親は、わたしが何をしても口を出さずに応援してくれて、自由な環境を与えてくれました。父に言われた『文句ばっかり言ってても何も変わらない。本当に状況を変えたいのなら行動で示しなさい』という言葉は、いまでも活動の支えにもなっています。
また、双子の弟がいるのですが、いま教育系の団体でインターンをしていて。わたしの活動にもすごく興味を持ってくれて、弟と社会問題や教育のことについて、朝方まで熱く語り合ったことが何回もあるんです。弟も情熱的に生きているので、それを見てわたしもエネルギーをもらっているんです」
Q5. 将来の展望について教えてください
「まだ具体的にどういった方法で達成するかは決めていないんですけど、財力を持っている人になりたいなと思っています。
社会のマイノリティの人々を支えるという目標は、自分が無力では達成できないと感じていて。自分が力を持つことで、社会的に弱い立場に置かれている人たちが搾取されるのを防いだり、社会貢献を行う人たちに投資や支援を行ったりするのが大きな目標です。
そのためにも、最近はコンサルティング会社でインターンを始め、マネージメントや組織論の勉強にも挑戦し、スキルアップを図っています」
橋本華名のプロフィール
年齢:19歳
出身地:香港
所属:上智大学、Sophia Refugee Support Group、高校生仮放免奨学金プロジェクト
趣味:料理、笑うこと、大切な人と時間を過ごすこと、スターバックスに行くこと
特技:ダンス
大切にしている言葉:ありがとう
橋本華名のSNS
この投稿をInstagramで見る
★YouTube
Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi