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アメリカが市販の経口避妊薬を承認。ドラッグストアでも購入可能に【Steenz Breaking News】

アメリカが市販の経口避妊薬を承認。ドラッグストアでも購入可能に【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、アメリカで経口避妊薬を医師の処方箋なしに薬局などで販売することが承認されたというニュースについて、ご紹介します。

経口避妊薬について知っていますか?

経口避妊薬というのはあまり一般的には耳なじみのない言葉かもしれません。日本では一般的に「ピル」と呼ばれていて、最近では、英語でOral Contraceptivesと表記するため、OCと呼ばれることもあります。さまざまな種類がありますが、日本で一般的なピルといえば、「低用量ピル」ですね。

低用量ピルは、生理不順や生理前の症状・PMS(月経前症候群)などを緩和する目的で使用されることが多く、医師からの処方される場合、保険適用となる場合もあります。経口避妊薬もピルの一種であり、仕組みや効果は同じですが、目的が避妊であるため、保険適用にはなりません。

経口避妊薬の主な成分は女性ホルモンであり、服用すると脳が「妊娠した」と認識し、排卵が抑制され、妊娠しにくくなります。また、女性ホルモンの分泌量の変動が少なくなるので、急激なホルモン量の変化によって引き起こされるPMSなどが緩和されるという仕組みになっています。

アメリカのFDAが経口避妊薬を承認。処方箋なしで購入可能に

アメリカのFDA(食品医薬品局)は、2023年7月13日、市販の経口避妊薬を承認したことを発表しました。今回承認されたのは、アイルランドの大手製薬会社ペリゴ社の「Opill(オピル)」という薬。これまでは医療機関の受診・処方が必要でしたが、今回の承認により、必要な人はドラッグストアやオンラインで購入できるようになります。

FDA(食品医薬品局)によると、アメリカでは年間610万件の妊娠のうち、約半数が意図しない妊娠とされています。また2022年6月には、米連邦最高裁判所が「中絶は憲法で認められた女性の権利」を認めない判決を下しました。このような背景もあり、アメリカ国内では、市販の経口避妊薬の承認を求める声が高まっていました。アメリカ国内での販売は、来年初頭にも行われる予定です。

ピル後進国と言われている日本

若者を中心に、日本でもピルの認知は広まっていますが、欧米諸国に比べるとかなり遅れているのです。国連が発表した「避妊法2019(Contraceptive Use by Method 2019)」によると、日本のピル服用率はわずか2.9%。それに比べて、アメリカは13.7%、イギリスは26.1%、フランスは33.1%という結果でした。ちなみに、アジアでは韓国が3.3%、香港では6.2%でした。

しかし日本では、緊急避妊薬(アフターピル)の薬局販売に慎重な論調が医師会から発せられたことも記憶に新しく、ピル使用に対して、どこか後ろ向きな印象があります。もちろん、ホルモンをコントロールする薬ですので、安易に取り入れるべきものではありませんが、望まない妊娠を減らすことで、女性にとってはその恩恵が期待できます。今後の日本でのピルの普及がどうなっていくのか、気になるところですね。

Reference:
銀座まいにちクリニック「ピルを飲むと生理ってどうなるの!ピルを飲むことで訪れる変化について詳しく解説します。」
the United Nations「Contraceptive Use by Method 2019」

Text:Tommy

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Tommy

ライター

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