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カナダが化粧品の動物実験を禁止。日本はどう?【Steenz Breaking News】

カナダが化粧品の動物実験を禁止。日本はどう?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、カナダにおける、化粧品の動物実験禁止というニュースについてご紹介します。

カナダで化粧品の動物実験禁止に関する改正法が成立

2023年6月27日、カナダ政府は法改正をおこない、化粧品をつくる際の動物実験と、動物実験でのデータを使用した商品の販売が禁止になりました。化粧品には、コスメやスキンケアアイテムだけでなく、香水やボディローション、スタイリング剤、マニキュアなども含まれています。

今後、カナダ保健省は、化粧品以外の分野においても、動物実験の代替となる効果的な方法を追求するとしています。もともとカナダでは動物実験がほとんど行われていなかったそうですが、今回、改正法というアクションが生まれたことによって、産業全体の動物実験への依存を減らし、動物福祉を支援する大きな一歩になるとされています。

化粧品の動物実験を禁止する国は増えている

今回、カナダは法改正によって、世界で44か国めの化粧品の動物実験禁止国となりました。化粧品の動物実験を禁止している国は、カナダ以外にも多くあります。

中でも、早い段階から化粧品の動物実験を禁止していたのはEUです。2004年より段階的に動物実験と動物実験を行った商品販売を禁止。9年後の2013年には、全面的に禁止となりました。動物実験が行われた成分が少しでも入っていた場合、製品を販売することはできません。

南アジアで初の動物実験禁止国となったのは、インドです。2014年からインドでは、国内の化粧品と日用品における動物実験を禁止しています。また韓国では2018年に化粧品の動物実験が禁止に。当時は一部の化学物質と医薬品のみ、動物実験が認められていましたが、2022年の法改正で完全に禁止となりました。アメリカではニューヨークやカリフォルニア、ハワイなどの10州で動物実験を行った化粧品の販売が禁止とされています。

このように化粧品や日用品における動物実験を禁止する国は増えており、その代替策となる実験方法も、少しずつ増えているのです。

日本はどうしてる?

一方、ここ日本ではどうかというと、現在、化粧品の動物実験は禁止されていません。

2001年の旧薬事法改正にともない、成分の全表示が義務となり、製造メーカーは独自の方法で安全性を証明すればよいとされており、動物実験が安全性の証明のための義務にはなっていませんが、一部の物質(防腐剤や紫外線吸収剤、タール色素など)では、定められた成分や量を超える場合、動物実験が必要とされています。もちろんメーカーによっては、独自で動物実験禁止を掲げている企業も存在します。

化粧品開発のおける動物実験としては、例えば、毛を剃った動物の皮膚に物質を塗り込んだり、眼刺激検査のために、物質を動物の目に入れたりすることがあります。実験の結果、失皮膚が炎症を起こしたり、失明したり、最悪の場合は命を落としたりすることも……

動物実験を行っていない化粧品は、国際的な認証マーク「リーピングバニー」や「ヴィーガン」の表示で判断できます。また、マークなどがない場合でも、メーカーのホームページなどに「動物実験禁止」と記載していることも。クルエルティフリー(残虐性がない)な未来を実現するには、わたしたちのちょっとした意識が大切。動物たちの明るい未来のためにも、行動してみませんか。

Reference:The Humane Society「Ending Cosmetics Animal Testing」

Text:Tommy

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Tommy

ライター

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