「気になる10代名鑑」の473人目は、深濹真実さん(19)。女子美術大学で洋画を学びながら、個人の創作として、平面作品から立体作品まで、幅広く制作しています。マイナスな感情をコミカルな動物の絵で表現するのがポリシーだという深濹さんに、作品に込めた思いや、今後の展望についてうかがってみました。
深濹真実を知るための5つの質問
Q1. いま取り組んでいる活動について教えてください。
「女子美術大学に通っていて、洋画を専攻して学びながら、個人での制作として、動物をモチーフにした平面作品や立体作品を創作しています。いまはもっともっと創作の幅を広げたくて、いろいろなチャレンジをしているところ。絵を描く支持体を変えたり、オイルパステルを油絵の具に併用したりと、画材の研究を通して、作品の方向性を探っています」
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Q2. 創作のテーマを教えてください
「自分が自分に対して感じてることや思いを、さまざまな動物に具現化して描いています。動物は特に決まっていなくて、そのときの感情と思いつきにまかせて描いています。例えば、大学受験で葛藤している時期に描いた絵では、鬱屈した感情をカメレオンに具現化させたりしました。
この描き方は、マイナスな感情を、おもしろおかしく絵に落とし込めたらと思って始めたんです。わたしにとって絵を描くことは、自分に対しての励ましでもあるので、自分も、絵を見てくれた人も、前向きになれる絵を描きたいと思っているんです」
Q3. 創作におけるこだわりは?
「マイナスな感情をテーマにすることが多いからこそ、あえて暖色を多めに使うようにしています。明るい色を使うことで、テーマが暗くても、見た人があまり暗い気持ちにならないように調節している感覚です。一見すると暗い絵のように見えても、見続けるうちに、結果としてポジティブな感情を与えられるようにこだわっています。
あと、これはこだわりというか特に自分では意識していないのですが、わたしの絵は、塗り方がリアルなのに、妙に形が不自然で、『AI絵画』のようなところがあるといわれることが多くて。でも、だからこそ、どこか現実にありそうでないゾワっとする雰囲気が自分らしさだと気づいたので、大切にしていきたいと思っています」
Q4. 創作活動を続けている中で、印象的だった経験は?
「高校生活を通して、表現の楽しさを再確認したことです。本格的に美術の道に進もうと思ったきっかけでもあるんです。
というのも、美術科のある高校に進学したのですが、最初のうちは、本格的な授業や同級生のレベルの高さに圧倒されて、実力不足に落ち込んでしまって……。ちょっと絵が描けるくらいで入学したことを後悔したこともありました、
でも、そんな半端な気持ちじゃダメだって心を入れ替えて、必死に勉強と部活に打ち込んで、美術を心から楽しめるようになったんです。あの経験がなかったら、生半可な気持ちのまま美術を続けていたかもしれない。だから高校での経験は、わたしにとって大切なものなんです」
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Q5. 今後の展望は?
「将来は、そこそこ名の知れたアーティストになれたらいいなって思っています。わたしの作品で心を動かされたという人をまだ見たことがないので、ひとりでも心を動かせたら嬉しいなって。いつか誰かに『この絵、見たことある!』と言ってもらえる……そんな作品をつくれるように、これからも精進していきたいですね」
深濹真実のプロフィール
年齢:19歳
出身地:静岡県富士宮市
所属:音楽を聴くこと、古着屋さんめぐり
特技:人間観察
深濹真実のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara