「気になる10代名鑑」の456人目は、かけるさん(18)。eスポーツのプレイヤーとして活躍しながら、ゲームの面白さや存在意義などを多方面から発信しています。ゲームを通して社会貢献を果たしたいと考えているかけるさんに、活動に込めた思いや今後の展望について伺いました。
かけるの活動を知る5つの質問
Q1. いま、どんな活動をしていますか?
「eスポーツのプレイヤーとして、『競技』としてのゲーム、『社会貢献』としてのゲームというふたつの視点から、ゲームの面白さを社会に伝える活動をしています。
プレイヤーとしては、『Call of Duty mobile』というゲームの『Call of Duty Mobile World Championship2023』という世界大会に出場していて、いまは本戦に備えているところです。それから、バリアフリーのeスポーツ事業を行っている企業である株式会社ePARAと連携して、新しいゲームの可能性を見出しています」
Q2. 活動のきっかけを教えてください。
「元からゲームが大好きで、同じくゲーム好きな友達と一緒に過ごせる環境や時間をつくりたいとずっと思っていて。この気持ちを持ち続けて、高校に入ったときに、eスポーツ部を創立したことが始まりでした。
部員全員でゲームを楽しみながら活動する方法を模索していたとき、部活動の公式SNSアカウントを通じて、ePARA代表の加藤大貴さんと出会って、ePARAの活動に参加させていただくようになったんです。それがきっかけで『ePARA CARNIVAL』をはじめとした、いろいろなイベントにも参加させていただいて、ゲームが社会にどう貢献できるのかを体験できたことは、すごく面白い経験でした。このご縁は、いまでも続いていて感謝しています」
Q3. 活動をする中で、つらかったこと、壁に感じたことはありますか?
「eスポーツの知名度が低くて、まわりりからの理解を得られない現状は、やっぱり大変ですし、いまでもなんとかしなければと思っています。
高校でeスポーツ部について発信しているとき、誹謗中傷が寄せられたこともありました。それに、大会に出場できる年齢が18歳以上と高めであるのも、ハードルになっていて……。中学生のゲーム仲間を見ても、飲み込みが早くてすごく強いのに、大会に出て実力を認めてもらうということがない現状があります。それを考えると、本当にもったいないと思います」
Q4. 活動をしていく中で、印象的な出会いはありましたか?
「プレイやイベントを通して、幅広い世代やさまざまな立場の方と交流を楽しめるのは、eスポーツならではだと思います。その中でも、『ePARA CARNIVAL』に参加したときの出会いは印象に残っています。目が不自由なプレイヤーの方が、音だけを頼りに、プロ顔負けの腕前で格闘ゲームをしていて、とても驚きました。
それから『Call of Duty mobile』プレイヤーで、先天性の障害で片手のうち指が3本欠損している方がいるんです。でも、僕よりはるかに上手で、一緒にゲームをしていて勉強になることばかりです」
本校eスポーツ部の部室でePARA×BASE×品川翔英eスポーツ部のの交流会を行いました!
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました! pic.twitter.com/B2TuU0Ocfq— 品川翔英高校 e-Sports部 (@shoueigames) March 3, 2023
Q5. 今後の展望は?
「誰もが参加できる、面白いゲームをつくりたいです。視覚や聴覚など、たくさんの要素を含んでいて、たとえどれかひとつが欠けていても楽しめるゲームがあれば、誰もがゲーム本来の面白さを実感できるのではないかと思っています。
それに加えて、脳波を読み取るBMIという技術にも注目していて。この技術をゲームに利用すれば、頭で動きをイメージするだけで操作ができるんです。これだったら、たとえ寝たきりの人でも、ゲームを楽しめます。こういった技術を取り入れたいと考えていますが、まずはゲームづくりのプログラミング基礎から勉強していこうと思います」
かけるのプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
趣味:ゲーム
特技:ゲーム
大切にしている言葉:ゲームという可能性にさらなる価値を
かけるのSNS
#Mini_ePARA_CARNIVAL に参加してきました!
様々な人達と交流できて楽しかったです! pic.twitter.com/jLUQMLvBIm— かける (@kakeru__games) June 22, 2023
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Photo:Eri Miura
Text:Chihiro Bandome