「気になる10代名鑑」の432人目は、伊藤蓮さん(19)。多摩美術大学でプロダクトデザインを学びつつ、ベンチャー企業でプロダクトデザインに携わっています。カーデザイナーになりたいという幼少期からの夢を追いかける伊藤さんに、デザインに興味を持ったきっかけや作品に込めた思いについてうかがってみました。
伊藤蓮を知るための5つの質問
Q1. いま取り組んでいる活動について教えてください。
「多摩美術大学でのプロダクトデザイン学科でカーデザインを学びつつ、『ENFY』というメタバース事業に取り組む企業で、ソフトウェアやVRグラスのデザインを担当させていただいています。
正直なところ、私はまだメタバースの可能性をあまり理解できていないんです。だからこそ、あえて未知の分野の事業に関わっていくことで視野を広げたいと思い、デザイナーとして参加することを決めました。他にも、木工製作やバイク・マイクロカー製作、CGアニメーション製作など、ジャンル問わず挑戦し、表現方法の幅を広げています」
Q2. 創作活動をする上でこだわっていることは?
「常にそのデザインに『意味』があることを大切にしています。デザイナーたるもの、モノの意味や真髄を見た人に考えさせることのできるデザインを生み出すべきだと思っていて。『意味を追い求めることの価値』を体験できるようなデザインを提供できるように意識しています。
その中でも、カーデザインにおいては『車とは本来なんなのかを考えさせられるデザイン』がこだわりです。最近のカーデザインは、既存の車の形を想定した上でデザインしていているので、単純な装飾が多くつまらないなと感じていて。車が登場した頃のような、固定概念にとらわれない意味のあるデザインをめざしています。誰かにとって、私のデザインとの出会いが新たな発見につながったら本望です」
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Q3. デザインの道に進んだきっかけは?
「物心がついたときからデザインが好きで、言葉も話せない頃からロゴを真似して描いていました。特に企業ロゴが大好きで、家にある家電を片っ端から集めて、ロゴごとに仕分けして絵を描いたり、眺めたりして遊んでいるような子どもだったんです。なので、気づいたらデザイナーになりたいという夢を抱いていました。
美大への進学を決めたのは高校1年生のころ。自分のデザイン好きは、『アート』と『デザイン』を切り離して考えてはいけないという独自の思想がベースになっていることに気づいて、もっと突き詰めたいと思ったんです。私のデザインに対する考え方を、作品を通して発信できるように勉強中です」
Q4. ご自身のクリエイティブに影響を与えた「人」は?
「以前『steenz』にも出演している横川晃太郎から大きな影響を受けています。彼とは中学高校が一緒で、アートについて真剣に語り合ったり、ぶつかり合ったり出来る数少ない友人なんです。かなりの頻度で意見の衝突がありますが、私はそれが嬉しいですし、楽しいんです。衝突は問題解決に向けて共闘している証であり、この過程はこれからの創作において非常に重要な糧になると思っています」
Q5. 今後の展望は?
「最近では映像制作、特に実写とCGアニメーションに力を入れていて、在学中にできる限りの映像作品を制作したいと考えています。表面上の娯楽性にカモフラージュされた奥ゆかしさのようなものは、映像にしか出せない魅力だと思っていて。私の考えを映像に込めて伝えていきたいんです。
大学卒業後はカーデザイナーになることが目標です。幼少期からの夢ですし、大手メーカーでデザインをするということを経験してみたいです。それと並行して、個人としても、ジャンルに拘らずできる限り幅広い創作活動をしていきたいです」
伊藤蓮のプロフィール
年齢:19歳
出身地:山形県 米沢市 / 埼玉県 伊奈町
所属:多摩美術大学 生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻
趣味:音楽、映画鑑賞、フォント収集
特技:描画、デザイン、映像制作
伊藤蓮のSNS
2京年ぶりに車描きました🚗#MAZDA #Roadster #MX5 pic.twitter.com/ZXyJIuHZlu
— ren (@carted03) June 18, 2023
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara