Teen's Snapshots

甲子園をめざした高校球児がアートの道へ。美大で日本画を学びながら創作活動に邁進中【原龍大・18歳】

甲子園をめざした高校球児がアートの道へ。美大で日本画を学びながら創作活動に邁進中【原龍大・18歳】

「気になる10代名鑑」の436人目は、原龍大さん(18)。多摩美術大学で日本画を学びつつ、「伝統的×現代的」を軸に創作活動をしています。元・高校球児という経歴を持つ原さんに、美術の世界に足を踏み入れたきっかけや今後の展望についてうかがってみました。

原龍大を知る5つの質問

Q1. いま、どんなことに力を入れていますか?

多摩美術大学の日本画学科に通っていて、古くからある伝統的な素材を使って、現代で通用するような作品を作ることに力を入れています。最近では、日本画の分野でもデジタル作品が増えていて、僕自身も、最新技術と伝統的な素材を組み合わせることで、日本の文化を大切にした作品をつくりたいと思っています。

また、つくった作品は、SNSで積極的に公開するようにしています。SNSを使うことで、いまアーティストに求められていることを肌で感じたいと思って、大学に入ってから本格的に使い始めました。新しい人とのつながりも増えて、いい影響を多く受けているので、始めてよかったと感じています」

Q2. 創作活動を始めたきっかけは?

「昔から絵を描くのが好きで、小学生のときから油絵にハマっていました。でも、本格的に創作活動を始めたのは高校3年生のとき、進路を考え始めてからなんです。

それまではずっと野球をやっていて。甲子園をめざして野球漬けだったので、美術とは無縁の生活を送っていました。野球を引退して、進路について改めて考えたときに、自分が好きだった絵を学びたいと、ふと思ったんです。大学でも野球を続けるという選択肢はまったくなくて、自分の好きな世界を絵で表現したいという情熱で、進路を決めました」

Q3. どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか?

「『伝えようとする。わかろうとする。』をテーマに作品づくりをしています。僕の作品のエネルギー源は、自分の好きなものを相手に伝えたいという想い。なかでも、映像作品や音楽から得たインスピレーションを作品に昇華することが多いです。

そこには、言葉で表現することが苦手というのがあって。自分がいいと思ったものを誰かに伝えたくても、言葉では上手に伝わらなくて悔しい思いをした経験が何度もあって……。このときに感じた、やるせない気持ちを創作で消化したいと思って、このテーマで活動し始めました​​」

Q4. 作品におけるこだわりは?

「『色使い』です。色は作家の世界観を表す最大の武器だと思っていて。特に、80年代を彷彿とさせるノスタルジックな色彩感覚で、個性を表現しています。

自分が描きたい世界観を見つけられずにいたときに参考にしたのは、ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』ですね。赤・紫・オレンジを上手に使った色彩に惹かれたのと、古い色使いなのに、いまの人間の目には新しく映るのが面白いなと思ったんです。いまでも、創作で行き詰まったときは見返して参考にしています」

Q5. 将来の展望は?

将来の夢は映画監督。アニメーションと実写を融合した映画を作ることが目標なんです。日本画で学んだ技術を映像に生かして、悲しみではなく、喜びと興奮で観客が涙を流すような映像作品を、いつかつくりたいです。

その第一歩として、クラスの仲間と映像作品を作り始めました。試行錯誤しながらですが、いい作品になるように奮闘中です」

原龍大のプロフィール

年齢:18歳
出身地:東京都大田区
所属:多摩美術大学 絵画学科 日本画専攻
趣味:映画、音楽
特技:野球

原龍大のSNS

★Instagram

★Twitter


Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Mai Sugawara

ライター

2002年生まれ、東京都出身。青山学院大学 総合文化政策学部 在学中。Steenzには2022年6月より参加。学生ライターとして「気になる10代名鑑」のインタビュー記事執筆を担当している。

View More