「気になる10代名鑑」の434人目は、神尾昴雅さん(19)。東京農工大学で生命工学を学びつつ、社会に対して課題意識をアートに昇華することをめざしたフリーマガジンを立ち上げ、編集長として活動しています。たったひとりでフリーマガジンの立ち上げをおこなったという神尾さんに、活動を始めたきっかけや今後の展望についてうかがってみました。
神尾昴雅を知るための5つの質問
Q1. いま取り組んでいる活動について教えてください。
「東京農工大学の工学部で生命工学、主にバイオテクノロジーについて学びつつ、『侃華KANGE』というフリーマガジンで、編集長として活動しています。このフリーマガジンは、社会に対する課題意識を、特集を通してアートに昇華して発信することを目的に制作を始めました。
『侃華』という名前は僕が考えた造語で、『侃侃(かんかん)』という『信念を曲げない・意志を貫く』という言葉と、『個性』の意味を込めた『華』という漢字を合わせて造りました。名前のとおり、この1冊に関わるすべての人が、個性を表現し続けられる雑誌をめざして制作しています」
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Q2. 活動をするうえでのこだわりは?
「スピード感にこだわっています。この雑誌は、すべてひとりで始めたものなんです。いまでは一緒に頑張ってくれる仲間がいますが、始めた当初はとても孤独で……。そんな中で諦めずに突き進むには、スピード感をもって勢いで突き進むことが自分にとってベストだと気づいたんです。
仲間が増えてからも、スピード重視という姿勢は変えていません。企画を立ててから形にするまで、慎重に、しかし素速く運ぶことで、実現できることは大幅に増えると思っています」
Q3. 活動をする中で、悩みがあれば教えてください。
「活動するうえで悩みはつきものですが、段階によって抱える悩みや壁は変わっていきました。
立ち上げてすぐの段階では、自分ひとりだったため、小さな成功体験を得て軌道に乗るまでが、苦悩の日々で……。動いても動いても手ごたえがなく、『本当にやっている意味があるのだろうか?』と何度も考えました。この時期は、僕のこだわりでもある『スピード感』でなんとか乗り越えて、困難や壁も楽しめるようになりました。
メンバーが集まると、今度は自分ひとりで突っ込んでいくような進め方ではうまくいかなくなってしまって。メンバー各々が最大限長所を発揮しながら、クライアントの要望も満たせるような仕組みをつくることの大変さを知りました。この課題はまだ完全に解決できたとは言えないですが、リーダー像を学ぶために、たくさん本を読んで『一歩引いたリーダー』という立ち位置を見つけ出しました。そうすることで、メンバーの個性を引き出せると気づいたんです」
Q4.続けている中で、印象的だった出会いは?
「さまざまな業界の方とお会いできるようになりました。たまたま出会ったスタイリストの方に、アシスタントとして現場をお手伝いする機会をいただいたことも。現場の回し方や仕組みなどを学び、活動にダイレクトに活かすことができました。
人が人をつなげてくれるというのは、この活動を始めてから日々感じています。交流会に行って名刺交換して、後日カフェで会うことも日常にしています。特に立ち上げの期間は、毎日違う人と会っていました。人脈は予期せぬところで仕事につながることがあるので、とても大切にしています」
Q5. 今後の展望は?
「『侃華KANGE』は年2回の発行をめざして、いまは次号を企画中です。読んでくれる人に、ビジュアル、アート、ファッションの面からインスピレーションを与えたいですし、誌面から考えさせられるような読み物にしていきたいと思っています。
個人的には、大学で学んでいるバイオテクノロジーの側面をテキスタイルに生かしたクリエーションを行ってみたいと考えています。ファッションとバイオという、一見すると異質な掛け合わせが、僕ならではの企画だと思うので、なんとか実現できるよう構想中です」
神尾昴雅のプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都練馬区
趣味:絵を描くこと、音楽を聴くこと
特技:アルペンスキー
大切にしている言葉:射石飲羽
神尾昴雅のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara