「気になる10代名鑑」の426人目は、鵜飼怜奈さん(18)。人々にとって働きやすいと思える職場環境を解明するために、自身で団体を立ちあげながらもさまざまな団体に所属し、活動しています。夏にイベントを控えている鵜飼さんに、活動を始めたきっかけや印象的だった出会いについて、詳しく聞いてみました。
鵜飼怜奈を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を注いでいる活動は?
「人々にとって働きやすいと思える職場環境とは何かについて興味があります。そのため、誰もが働きやすいと感じる働き方や労働環境の実現させるためのアクションを起こしている、さまざまな団体で活動しています。
例えば『ひと(と)』という団体では、実際の女性へのインタビューをもとに、『女の子の1日』をテーマにした短編小説を作成して、それを販売することでジェンダー問題にアプローチするという活動をしています。今年の夏、都内の主要駅に自動販売機を設置して小説を販売する『ワンデーガール(ズ)』というイベントを開催する予定です。いまはそのためにクラウドファンディングにも挑戦しています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「わたしの父は、昔から仕事が忙しく、帰宅時間が遅くて、あまり話をする時間がもなくて……。いまは『働いてくれてありがとう』っていう感謝の気持ちしかないんですけど、小さいときは、一緒に遊んでほしいとずっと思っていました。そこから、『どんな職場環境だったら家庭と仕事を両立できるんだろう?』というワークライフバランスに興味をもつようになったんです。
いまはそこからさらに発展して、職場環境における差別にどのような問題があるかをテーマにしています。職場環境に無意識的な差別や偏見が潜んでいたら、それは自分のコンフォートゾーンにならないし、働きにくいと思うので。将来的には、誰しもが働きやすいと思える職場環境を追求解明したいと思っていますが、いまはまず性的マイノリティの人々が働きやすい職場環境について考えています」
Q3. 活動を続けている中で、印象的だった出会いはありますか?
「高校2年生のとき、『HLABサマースクール』という、進路選択に悩む高校生が、自己分析や海外の方との交流などを通して自分の興味・関心を発見するプログラムに参加したんです。
そこでメンターの方に『自分の意見を伝えられたっていうのは、本当にすごいことなんだよ』って言ってもらったんです。それを聞いて、自分が何かできたことに、もっと自信をもっていいんだなと気づかされて……。いままで自分がやってきたことって無駄じゃなかったんだなと、過去の選択に花丸をつけられたような感覚になれたんです。それはいまでも大切にしている出来事ですね」
Q4. 活動を続けていくための原動力は?
「人生には限りがあるのに、やったことがないことがあるのって勿体ないと思っていて。とにかくやったことがないことをなくしていきたくて、いろいろなことに挑戦しています。
活動以外にも、最近はボルダリングにハマっています。登っているときの快感がたまらなく好きなので、ボルダリングを極めたいです。
あとはチアリーディングも好きで、3歳のときから12年間続けていました。友達のお母さんがチアの先生だったので、成り行きで始めたんですけど、やっていくうちに楽しくなって。いまは選手ではなく、大学のサークルでマネージャーをしています。たまに練習にも参加しています」
Q5. 今後の展望や将来の夢を教えてください。
「いつか『海外で活躍する日本人』みたいな企画に取りあげられるような人間になりたい。特にこの分野で、っていうこだわりはないんですけど、自分のことを誰かに評価してもらえるって素敵なことだと思うし、『鵜飼怜奈』っていう価値やライフスタイルを認めてもらえたなら、嬉しいなって。
2023年の目標は『着火剤になる』です。いままではどちらかといえば、自分が主体となって動いてきたんですけど、誰かをいい方向に感化させるような人になりたいなって思っています」
鵜飼怜奈のプロフィール
年齢:18歳出身地:大阪府弁天町所属:日本女子大学、ひと(と)、学生団体My name is…、TED x Youth @OtsumaNakanoHS、HLABサマースクール MIYAGI-ONAGAWA2021、任意団体Ready&趣味:おいしい餃子を見つけること、頭の中でシュミレーションすること、特技:お寿司を64貫食べられること、誰とでも仲良くできること大切にしている言葉:自分を成長させられるのは、他の誰でもなく自分自身
Photo:Eri MiuraText:Chikiri Kudo