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アフリカ大陸って広いけど、どんなごはんを食べているの?現地在住ライターが解説【Steenz Breaking News】

アフリカ大陸って広いけど、どんなごはんを食べているの?現地在住ライターが解説【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカ大陸での食事情についてご紹介します。

アフリカの食事は地域や文化によって様々!

「アフリカ飯」というと、どんなごはんを思い浮かべますか?芋料理やフルーツの印象があるかもしれませんが、14億人が暮らしているアフリカでは、国や地域によって、さまざまな種類のご飯があるのです。今回は、そんな中でも北アフリカ、東アフリカ、西アフリカにわけて、アフリカ飯をご紹介します。

グルメ大国である北アフリカ

北アフリカに位置するエジプトは、アフリカの中でもグルメ大国といわれてます。歴史や地政学的にも、地中海や西アジアの料理からの影響を受けていて、お米、マカロニやスパゲティ、レンズ豆を混ぜた「コシャリ」や、丸焼きの鳩の中に米を詰めた「ハマーム・マフシー」、モロヘイヤスープと前菜からメインにいたるまで、手の込んだ料理も多いんだとか。

また、エジプトは人口の約90%がイスラム教徒であるため、ラマダン(イスラム教徒の断食)中の1か月間は、日の出から日没までの合間の飲食が禁止となるため、食事にも力が入ります。日没の30分前になると、街中の道路や通りにテーブルとイスを並べて、大勢の人がごはんの準備に急ぎます。ラマダン中は、人といることを特に大切にするため、家族や友達と集まる食事の時間は貴重なものです。

満足度を重視する東アフリカ

東アフリカでは、味よりもお腹いっぱいになることを考えた料理が主流です。炭水化物の種類が豊富で、お米の他に、安価で大量に作れるトウモロコシ粉を練って固めた「ウガリ」、甘くないバナナの「マトケ」、キャッサバ、ポテトなどがあり、どれも大変ボリューミーです。また、こうした主食に加えて、トマト味のスープでつくられたチキンや魚、豆料理が出されることが多いです。

また、アフリカ飯で欠かせないのはストリートフード。東アフリカのストリートではポテト、チャパティ、チキン、ソーセージ、レバー肉など肉をメインとしたごはんを安価に楽しむことができます。レストランに行く余裕のない人にとって、ごはんをストリートのチキンだけで済ませる人も多く見かけます。30円ほどでこれらを食べれるのは驚きですね!

米料理が豊富な西アフリカ

西アフリカは米料理が多く、日本人にも親しみやすいものが多いです。米をより楽しむために、フライドフィッシュ、ほうれん草、玉ねぎのピクルス、マンゴーピクルス、ピーナッツペーストなど、多様な味と共に食べることが多いんだとか。また、香辛料を使った料理も多く、アフリカ内でも比較的「辛い料理」が人気です。

筆者がガンビアの村で暮らしていた際は、1か月間、3食すべて米料理を食べ続けました。食材のレパートリーにも限界があるため、魚や肉がごはんと共に出る日は、家族で取り合いになります。村の家庭では、ごはんは女性と男性で分けて出されることが多く、5〜6人で大きなお皿から手を使って食べます。

レストランも存在するけど…

しばしば「世界のどこでも中華料理店は存在する」といわれますが、アフリカでも都市部に行けば、中華料理店をはじめ、イタリアンレストランやファストフード店などにアクセスできます。

ただし「ローカルフード」でないレストランでは、富裕層や外国人向けの値段設定がされており、平均月収が1万円前後の国に住む大多数の人にとっては馴染みがありません。

食材を手に入れる方法は?

アフリカに住む多くの人にとって、「マーケット」は食材を調達する場所です。農村から配達された野菜やフルーツ、肉や魚などは、個人で販売されることが多く、個人事業主の多くは女性。マーケットにはカラフルな食材が並び、とても活気があります。。

スーパーマーケットも存在しますが、比較的値段が高く、新鮮な食材はマーケットから手に入れることが主流です

変わりつつあるアフリカ料理

アフリカは、その食文化から歴史の一端を垣間見ることができます。フランス領であった西アフリカでは、フランスパンがよく食べられていたり、イギリス領であった東アフリカは、インドとの交流の歴史が長く、チャパティがストリートフードとして人気であったりなど……。

貧困層が多いアフリカにおいて、食というのは「お腹を満たすもの」という意識が強かったでですが、、富裕層が拡大しつつある現代において、食文化は少しずつ変わっていくでしょう。

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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