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脱炭素社会の実現に向けて。国内初となる「CO2を食べる自動販売機」が誕生!【Steenz Breaking News】

脱炭素社会の実現に向けて。国内初となる「CO2を食べる自動販売機」が誕生!【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、人や環境に優しい自動販売機についてご紹介します。

CO2を食べる自販機?アサヒ飲料が実証実験を開始

街中を歩いていると、至るところに設置されている自動販売機。2021年末時点で、自動販売機の国内設置数は270万台で、コンビニエンスストアの店舗数の50倍。そのうち、飲料用の自動販売機が、全体の8割を占めているそうです。

24時間いつでも買い物ができて、温度管理もされている自動販売機は、便利な反面、環境への負荷が取りざたされてきました。そんな自動販売機を活用したCO2の資源循環モデルに関する実証実験が、6月から始動します。その実験で使用されているのが、カルピスや三ツ矢サイダーで知られる、アサヒ飲料株式会社(以下 アサヒ飲料)が開発した「CO2を食べる自動販売機」です。

「CO2を食べる自販機」とは?

これまでの自動販売機は、吸収した大気を利用して、商品を温めたり冷やしたりする仕組みでした。一方、この「CO2を食べる自動販売機」には、CO2を吸収する特殊材が搭載されており、大気中のCO2のみを吸収します。

自動販売機1台あたりの年間CO2吸収量は、樹齢56~60年のスギの木の約20本相当を見込んでおり、吸収したCO2は、自治体や企業と協力して、肥料に混ぜたり、コンクリートの原料に配合する予定です。この仕組みは、国内初であり、脱炭素社会の実現に貢献するといわれています。

このアイディアは、アサヒ飲料の社長と社員の「自動販売機でCO2削減ができたら面白いよね」という会話から始まったとのこと。CO2を吸い込むことをわかりやすく伝えるため、「CO2を食べる自動販売機」と命名されたようです。

 

 

現在、関東と関西エリアの、CO2濃度が上昇しやすい人や車が多い場所に、30台ほど設置されているそう。見かけた際はぜひ利用してみてくださいね!

人や環境に優しい自動販売機は他の企業でも

自動販売機を活用した環境へのアクションは、他にもあります。

株式会社八洋では、災害や福祉面にアプローチする自動販売機を製造しています。飲み物を購入すると、全国の子どもたちを支援するNPOに1本につき10円寄付できる「寄付型自動販売機」や、災害時に停電が起きると、簡単な操作で機内を開け商品を提供できる「災害対応自動販売機」などがあります。

またダイドードリンコ株式会社は、自動販売機を活用した取り組み「LOVE the EARTHベンダー」を行っています。カーボンニュートラル対応の自動販売機では、1台設置につき1本植林できる「植林プロジェクト」を導入していたり、プラスチックごみ削減のために、アルミボトル缶に入った飲料のラインナップを増やすなど、さまざまな取り組みがされています。

街中で見かけることの多いコカ・コーラ ボトラーズジャパンのピークシフト自販機も、環境への配慮から生まれたもの。

 

ピークシフト自販機とは、電力需要のピークである日中を避け、夜間に飲み物を冷やし、常に5℃以下を保つ自動販売機のこと。半日以上、電力を使わずに冷たい飲み物を提供できるうえに、日中の消費電力を最大95%削減できます。また、飲み物を冷やすために、地球環境への影響が少ない、CO2ノンフロンを使用しているところもポイント。

普段、何気なく利用している自動販売機にも、人や環境のことを考えた、さまざまな技術やアイデアが取り入れられています。今回紹介したもの以外にも、サステナブルな機能を搭載した自動販売機はたくさんあるので、利用する際は、そういった機能がついていないか探してみてください!

Text:Yuki Tsuruta

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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