世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日はさまざまな新商品が開発されている代替食品の世界についてご紹介します。
なぜ代替食が注目されているの?
以前から、カニかまぼこやマーガリン、発泡酒などの代替食品は存在していましたが、高価な食材の代替品として製造されるといった経済的な背景が多かったですが、ここ数年で、代替食品をとりまく環境は激変し、また、その進化もめざましいといえます。
代替肉・大豆ミートの広まりが代替食品注目のきっかけに
最近の代替食品が注目されるようになったのは、代替肉の登場がきっかけ。日本では代替肉の1種である「大豆ミート」が、よく知られていますよね。
大豆ミートとは、大豆の油分を絞り、熱や圧力を加えたもので、お肉のような食感をもつ加工食品です。近年ではスーパーなどで手軽に購入できるだけでなく、外食チェーンでも取り扱いが増え、わたしたちの生活に身近なものとなりつつあります。
代替肉の人気の高まりの背景には、大きく分けて3つの理由があります。
ひとつ目は健康志向。代替肉のおもな原料は豆類であり、高タンパク低カロリーです。ふたつ目は、環境にやさしいこと。畜産には多くの水と資源(農地や穀物)が必要となり、二酸化炭素の排出量も多いという問題があります。代替肉は畜産に比べて環境負荷が少なく、原料となる豆類の成長も早いため、比較的容易に生産することが可能なのです。そして3つめは、動物の犠牲を伴わないという理由です。
もちろん、代替肉を製造するにも、さまざまな資源が必要となりますし、環境への負荷は生まれますが、比較的それが軽度となる代替肉は、今後ますます広がっていくといわれています。
代替卵や代替魚、そして代替キャビアまで登場!
そしていまでは、代替肉以外にも、さまざまな代替食品が開発されています。例えば、代替卵。キユーピー株式会社は2021年6月から、代替卵「HOBOTAMA」をオンラインにて販売しています。この商品は豆乳加工品をベースにしており、スクランブルエッグ風卵として食べられます。
また、あづまフーズ株式会社は、こんにゃく粉を使用した代替魚「まるで魚」を発売。生魚特有の生臭さがないので、魚が苦手な人でも食べやすいというメリットも。
そして2023年4月に新たに発売されたのが、代替キャビア。チョウザメの卵であるキャビアは高級食材として有名ですが、チョウザメの乱獲や自然破壊などによって、その数は年々減少しています。
代替肉の研究開発や企画・製造を手掛ける株式会社Dr.Foodsが開発した代替キャビアは、海藻から抽出した成分を原料としており、プチプチとした食感が魅力。ロンドンのフードコート施設「Mercato Mayfair(メルカートメイフェア)」での提供がすでに決定しているとのこと。
代替食品は、植物由来の原料から作られているものが多く、ヴィーガンの人やアレルギーがある人でも安心して食べることができます。
地球や動物にやさしい代替食品。今後の研究にも注目
気候変動や環境破壊の抑制につながることが期待されている代替食品。その広がりは日本だけでなく世界中で見られます。環境にやさしく、動物を犠牲にしないなどの理由から、代替食品を選ぶ人は増えています。
市場調査などを行っているシード・プランニングによると、世界の代替肉市場は2030年には886億円、2020年比の約8倍になると予想されています。
広がり続ける代替食品市場ですが、今後どのような食品が出てくるのか、注目していきたいですね。
Reference:植物由来の代替肉と細胞培養肉の現状と将来展望
Text:Tommy