「気になる10代名鑑」の399人目は、徳永健臣さん(19)。2年前、地元・香川の高校を中退して上京して以降、飲食店のスタッフやモデルとして活動しています。声をかけてもらえることに答えられるイエスマンでいたいと語る徳永さんに、仕事で大切にしていることや、最近始めたとある趣味について、聞いてみました。
徳永健臣を知るための5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「富ヶ谷のbiuや永福町の中華可菜飯店など、都内のいくつかの飲食店で働いている19歳です。高校2年までは香川にいて、高校を中退したタイミングで、2年前に上京してきました。
ツテはほとんどない状態で、成人年齢も引き上がる前だったので、お家を借りる契約ができなくて……。遠い知り合いが、たまたまシェアハウスと飲食店を経営していたので、その飲食店で働くことを担保に、なんとか東京での暮らしを始めました。そこにたまたま同郷の人がいて、よくしてもらって。そこに1年半くらい住んで、去年の12月に、いま住んでいる『松ノ木ハウス』というシェアハウスに引っ越しました。
まわりにいる人は、30代前後がほとんどで、同世代のつながりが全然なかったんですけど、昨年からやっと地元の子が上京してきたりして、東京にも同い年の友人ができたっていう感じです(笑)」
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Q2. 生きるうえで大切にしていることはありますか?
「僕は、何か目標や目的があって東京に出てきたわけじゃないんです。だからこそ声をかけてもらったり、誘ってもらったものは、基本的に受けるというイエスマン体制でいます。いま働いている飲食店もオープニングスタッフとして声がけしてもらったものですし、たまに来るモデルの仕事もそうですね。
そのおかげあって、雑誌『POPEYE』の4月号の新生活特集に載せてもらいました! 東京で出会った人のつながりで出させてもらったので、『東京ってすごいなぁ』って感じた経験でした」
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Q3. 上京して、挫折を感じた経験はありましたか?
「それが、まったくと言っていいほどないんです(笑)。最初のシェアハウスで出会った同郷の人が、いまでもすごい面倒を見てくれていて、その方が、『オレのいちばんの失敗は、健臣に挫折させていないこと』ってよく言っているんです。
確かに、何の当てもなくフラッと上京して、普通なら当たり前のように挫折感を抱えているはずだけど、僕はその方のおかげで、完成形ばかり見せてもらっていて。その時々で、僕に必要なひとを選んで紹介してくれているんだなって思います。それはもう、感謝しかないですね。
とはいえ、学歴的には中卒だし、特別なものをもっているわけではないので、今後、大きい壁にぶつかったときに、ちゃんと乗り越えられるのかなって不安はありますね」
Q4. 最近新しく始めた挑戦はありますか?
「たまたま知人を介して、能面作家の方と知り合って以来、能面彫りにハマっています。真四角の状態からやっていくんで、時間もけっこうかかるんですが、そのぶん顔に個性が出て、面白いんですよ。
実は上京する前に、伝統工芸の職人になるか、迷っていた時期があって。なぜか昔から箸を集めるのが趣味で、その日の給食に合う箸をわざわざ選んでいたくらい好きだったのが、伝統工芸に興味を持つきっかけだったのかなって。心のどこかで、職人の夢を諦めきれていない部分があるんだと思います」
Q5. 社会について、こうなったらいいなと思うビジョンはありますか?
「いいものが、ちゃんと評価される社会になればいいなって思います。クリエイターの知り合いも多いのですが、どうしてもマス向けのものが強すぎる中で、いいものが受け入れられづらい世の中だなって、日々痛感しています。
自分の好きな店が潰れちゃったり、伝統工芸の後継者の問題とかもそうですよね。だから、僕も何らかの形で、本当にいいものを届ける仕事ができたらな……と、ぼんやり考えているんです」
徳永健臣のプロフィール
年齢:19歳
出身地:香川県高松市
所属:松ノ木ハウス、biu、中華可菜飯店
趣味:音楽ライブ鑑賞、お笑い鑑賞、ギター、古着屋めぐり
特技:書道、金継ぎ
大切にしている言葉:違和感を興味に。興味を好意に。
徳永健臣のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Atsuko Arahata